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2006/02/14

RENATO ZERO / TRAPEZIO

Renato Zero(レナート・ゼロ)のサード・アルバム。デビュー作『No! Mamma, no!』ではフォーク・タッチの曲が多く、セカンド『Invenzioni』はアングラ・ロック風な匂いが強かったと思うのですが、3枚目にしてこのあと(1980年代)のRenatoの特長ともなってくる「ロック・オペラふうな芝居がかった、だけど歌謡曲的な俗っぽさを忘れない、メロディアスなポップス」というスタイルが前面に出てきたように感じます。

全部で11曲が収録されていますが、すべてが新曲というわけではなく、M2「No, Mamma, no!」はファースト・アルバムに収録されていましたし(ヴァージョン違いのようですが)、M3「Metro'」とM4「Inventi」はセカンド・アルバムに収録されていました。イタリアではこういった中途半端な?アルバムがよくあって、オリジナル作品なのかベスト盤なのか悩みますが、Renatoのこのアルバムに関してはベスト盤ではなく正式なサード・アルバム扱いのようです。

多くの曲はこのあとの『Zerofobia』『Zerolandia』へと続くロック・オペラぽさを漂わせたポップスになっていますが、M4「Inventi」のように、12弦アコースティック・ギターの響きが美しいゆるやかなフォーク・タッチの曲もあります。

M6「Motel」はピアノとキーボードを中心にしたバラードですが、ほんの少しだけRenatoのファルセット・ヴォーカルが聴けます。Renatoのファルセットって、ちょっとめずらしい気がします。

M8「Un uomo da bruciare」では、曲の出だしはピアノの演奏をバックにした言葉数の多いカンタウトーレ風なのですが、リズム・セクションが入るあたりからメロディアスでほんのり哀愁のある、オーソドックスで少しノスタルジックなイタリアン・ポップスになっていきます。

M9「Hanno arrestato paperino」はスローなメロディアス・ポップスで、ちょっと歌謡曲ぽさも入った、このころのRenatoらしい曲でしょう。バックで、思いっきりテープが伸びてしまった感じのメロトロンが鳴っているのがほほえましいです。最後のほうではドナルド・ダックの声?なども入ってきて、サーカスふうな雑多な趣になるのも楽しいです。

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コメント

Zeroは好きです。
あまりくわしくは知りませんが、エンターテイメントという観点で満足させてくれる数少ないイタリアの歌手だと思います。
歌もうまいし、声も悪くないし。
息子がこういったことがあります。
Seroはイタリアのフレディ・マーキュリーだねって。

投稿: Keiko | 2006/02/15 07:12

イタリアのフレディ! なるほどぉ。ゲイ(バイセクシャル?)なところも含めて、似てるかもしれませんね。

独特の個性を持った歌声が、やはりいいよなぁ。メロディも綺麗だし。Claudio Baglioniと並び、新譜が出たら無条件で購入することに決めているアーティストのひとりです。

投稿: もあ | 2006/02/15 10:20

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