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2005年11月27日 - 2005年12月3日

2005/12/02

ESTRUCTURA / MAS ALLA DE TU MENTE


ヴェネズエラ(南米でしたっけ?)のグループだそうです。デビュー・アルバム。

もうね、出だしからロックなビートにキーボードの速いアルペジオ、突然のスローへの場面転換、そして歌心あふれるヴォーカルと、一気にプログレ心をわしづかみにされましたです。

ギターをはじめ、すべての楽器がヘヴィ・メタルの洗礼を受けていないのが、自分にとってはとても好ましい。より人間的で情熱的でしかもハードなロックにドラマティックなプログレッシヴが乗っかっている。コンピュータ・プログラミングに頼らず、演奏者がそれぞれ自分の手足をフルに使って、自分の持つ演奏アイデアを実現しようと楽器を操っている。そうして出てきた「音」に、やはり心動かされてしまいます。

キーボードとギターを中心にした、緩急自在でいくぶん強引な展開も、少しフラワー・ムーヴメントのころを思い出させる女性ヴォーカルも、一瞬カルメン・マキ&OZのライヴ盤を思い出してしまったいかにもあの頃なキーボードの音色も、どれも好ましい。ナレーションを途中にはさんだトータル・アルバムというのも、いかにもプログレッシヴ・ロック的。演奏もメロディも構成も、どれをとってもロックの高揚感があり、聴いていてワクワクするプログレッシヴ作品になっています。

ドラマティックで美しくて、哀愁パートもたっぷりなのだけど、でもあとに残る印象が華やかでしあわせな感じがするのがまた、いい感じです。これまでに自分が聴いたことのある南米のプログレッシヴ・ロックって、深みのないユーロピアンみたいな印象のものが多くて、あんまり好きになれなかったのですが、このアルバムはかなり好きになりそう。突き抜けた感覚で素直にプログレッシヴ・ロックの演奏を楽しんでいる感じがするからかなぁ。これがヴェネズエラのロックの特徴なのか、それともEstructura(エストゥルクトゥラ)の持ち味なのかはわかりませんが、少なくともこのアルバムはプログレッシヴ・ロックの名盤のひとつといえそうです。

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2005/12/01

CRYSTAL / TRILOGIA

ハンガリーのグループだそうです。ハンガリー・ソニーが大々的にプッシュしてるんだそうです。男性ふたりに女性ひとりのヴォーカル・グループです。

なんか、変なアルバム。オープニングはアイリッシュ・トラッド風の哀愁に満ちた音色とメロディが聞こえてきて、ハンガリーでトラッド風味といえばKormoran(コルモラン)?とか一瞬あたまに浮かんで期待したのですが、その後はいかにもダンス・ビート風な強調されたリズム隊に乗ったポップスになってしまいました。

かと思うと、バラードではもうべたべたで、韓国の恋愛系映画の主題歌ですかみたいな感じになってしまい、妙に洗練された感じがかえって気分を醒ましてしまうというか、だんだんどうでもよくなってきてしまいました。

と思ってたら今度は突然のシンフォニー。いったいなんなのでしょう。思いっきりオーケストラです。このシンフォニック・パートはなかなか聞かせますと思ったら、アレンジを担当してるのはAfter Crying(アフター・クライング)の人なんですってね。なるほど、納得。このアルバムがプログレ系のお店で売られていたことにも納得です。

以下、ダンス・ビートのうえにきれいなメロディ&哀愁トラッド風味ちりばめ系の曲、バラード系の曲、ロック・シンフォニーが交代で現われる、というようなアルバムになってます。アルバムとしての構成、これでいいのでしょうか? このCrystal(クリスタル)というグループ、なにがしたいのでしょうか?

リズムが強調された曲は、自分の好みではありませんが、メロディは美しいし、わかりやすく聴きやすい曲づくりで、ちゃんとプロモーションをしたら日本でも売れるかも。ハンガリー語のもじょもじょした語感も哀愁度を高めてるし。好きなタイプではないけれど、嫌いというわけでもない、それなりに楽しんで聴けるものです。しかし、バラードはもう少し考えたほうがいいなぁ。あまりにイージーに甘すぎ。つまんないです。

しかしシンフォニック・パート、なんだか浮いてるように思うのだけど。歌パートとシンフォニック・パートで違うグループみたいです。いっそ別々のアルバムにしてもらったほうがよかった。そうなったらもちろん、シンフォニック・パート部分だけのアルバムを買いますけど。

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2005/11/30

RANDONE / HYBLA ATTO 1 - A BAROCK OPERA

Nicola Randone(ニコラ・ランドーネ)率いるイタリアン・プログレッシヴ・グループ、Randoneのサード・アルバム。およそ3500年ほど前につくられたHybla(イブラ)という町を舞台にしたトータル・コンセプト・アルバムのようです。3分前後の曲が全部で25曲、切れ目なく演奏される組曲形式になっています。

このグループ、アルバムを出すごとにどんどんプログレッシヴ・ロックらしくなってきています。複雑な構成、鳴り響くメロトロン(サンプリングだと思いますが)、テクニカルな演奏、効果的に導入される男女のオペラ・ヴォイス(バリトンとソプラノかな)、そしてあいかわらず個性的で、Tito Schipa Jr.(ティト・スキーパ・ジュニア)やPeter Hamill(ピーター・ハミル)などの影がときどきよぎるNicolaのヴォーカル。王道のシンフォニック・プログレッシヴだと思います。

前作『Ricordo』は、よくできたプログレッシヴ作品だけどあまりイタリアという感じはしなかったのですが、この『Hybla』はイタリアらしい強引さと騒がしさ、それに哀愁もあって、なかなかよいです。

ただ、ちょっとリズム隊、とくにドラムの力が弱いかな。うまくは叩いているのですが、自分としてはもっとロック的な力強さも感じさせてほしいと思ってしまいます。その他の楽器にしても、複雑で厚みのあるアンサンブルは聞けるのだけど、それぞれの楽器そのものが出す音に入魂の熱さのようなものが希薄で、その点が少し残念。とはいえ、一音一音にそういった熱さをあまりこめないのは近年の音楽の傾向ともいえるし、このアンサンブルで熱さをこめられたら暑苦しくなってしまう(笑)かもしれませんし、これはこれで良しとしましょう。

Randoneというグループになる前の、Nicola Randone名義のデビュー・アルバム『Morte di un amore』は、21世紀に突如現われたひさしぶりの本格的プログレッシヴ・カンタウトーレ作品としてかなり衝撃度が高かったのですが、Randone名義になってからは、プログレッシヴ・ロックとしてはどんどんクオリティがあがってくるけれど、逆にいえば「プログレッシヴ・ロック」という枠の中にどんどん納まってきているような気もして、衝撃度はどんどん減ってきているともいえます。落ち着いて、安心して楽しめるプログレッシヴ・ロック・グループとして、高値安定ではありますが、次作ではなにか突き抜けたもの、吹っ飛んだものを期待したいな。

ちなみにHyblaの町は、いまではRagusa Ibla(ラグーサ・イブラ)という名で、シチリアにその遺跡が残っているそうです。ユネスコの世界遺産にも登録されているとか。

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2005/11/29

IN MEMORIAM / THE ULTIMATE TERRORIZING AURA OF UNLOGIC MIND

インドネシアのプログレッシヴ・グループだそうです。ついに自分、インドネシアにまで手を出すようになってしまったのかと思うと、なんだか複雑な心境です。それよりもっとヨーロッパを充分に味わい尽くしたほうが本来のキャラのように思えるのだけど...

それはともかく。

インドネシアのプログレッシヴ・ロックってはじめて聴いたのですが、みんなこんな感じなのでしょうか。えらく派手でお祭り騒ぎ的なシンフォニック・ロックです。ツーバスをどこどこ踏みつけ、ゆるめのハイハットをラウドに殴りつけるドラマーは、明らかにヘヴィ・メタルを通り抜けてきた感じがします。けっこうハード・ドライヴィンな演奏で、プログレッシヴ・メタル的になってもおかしくないのですが、ハード&パワフルなドラマーに対してギターが弱いので、メタルにはなりません。

しかし、なんでしょうねぇ、このごった煮感。シンフォニック風、メタル風、民俗音楽風、ジャズ風、ムード歌謡風といった要素がごちゃ混ぜに現われては消え、ドラムがそれらをぶん殴り、鍵盤はときに重厚に、ときに華麗なオーケストレーションやフレージングでそれらの要素をみごとに演出します。その一方で、なんとなくアイデアに技術が追いついていないようなベースと、ひとり地味でなんとなくベクトルが違っちゃってるようなギターがアンサンブルを不安定にしています。これ、狙いじゃなくて、素でこうなっちゃってるんだよな、きっと。

ヴォーカルは、普通の歌い方をするときと、声楽風の歌い方をするときがあるのですが、この声楽風の歌い方が実に微妙です。中途半端にちょっとだけ発声を練習したことがありますみたいな感じで、聴いててちょっと恥ずかしい。日本のDeja-vu(デジャ・ヴ)などもそうでしたが、なんとなく、プログレッシヴ・ロックと男性の声楽風ヴォーカルって、うまくマッチしにくい気がします。なんとなくですが。女性のソプラノ・ヴォイスとかは合うことも多いのですけどねぇ。

ちなみにこのアルバムには女性ヴォーカルも一部導入されているのですが、これがムーディなスキャットでして、思わず「宇宙戦艦ヤマト」を思い出しました(若い人にはわからないだろうな)。もしやこのまま「真っ赤なスカーフ」(でしたっけ?)に続いていくのでは... とか思ったり。

なんか、にぎやかで、いろいろなアイデアがあって、そのアイデアがきちんとまとまらないままに投げ込まれてて、おもしろいといえばおもしろいのですが、演奏とアレンジの技術レベルが少し低いかな。うまいミュージシャンはいるのだけど、バンドとしてのバランスがきちんと取れていない感じ。そのため、アンサンブルでの転換のタイミングとかがばらばらとしてなし崩し的になってしまったり、楽器間での意識の方向に散漫さを感じてしまったりする部分がけっこう多くあるように思います。このあたりをきちんとすると、アイデアももっと活きてくるだろうし、にぎやかなお祭り騒ぎなのだけど緊張感もあってドラマティックなクオリティの高いハード・シンフォニックになりそうな気がします。

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2005/11/28

川崎は微妙だった

寝てたら頭の周りになぜか蜂がたくさん寄ってきて、頭にとまったり布団の中に入ってこようとしたり。そのたびに手で振り払うのだけど、すぐにまた蜂がやってきて... ということを繰り返してたので、ほとんど眠れなかった... という夢を延々と見続けていた(気がする)ので、なんだかほとんど眠った気がしない今日です。これはなにかのお告げでしょうか。いまの自分にわかることは、すごく眠いです... ということだけです。

さて、土曜日に川崎に行ってきました。川崎のチッタデッラというところで11月23日(水)から27日(日)までの5日間、Ciao Italia Festivalという催しがあり、広場にイタリアン食材の屋台が出たり、ステージでカンツォーネのショーがあったり、ローマから旗振り隊が来日してフラッグショーをやったりするらしい、という情報を得たからです。フラッグショーといえば東京ドームで行なわれたイタリア・フェスティヴァルのときに見たものがなかなか楽しく、今回も旗振り兄さん見た~いというのがいちばんの理由だったりします。

チッタデッラといえば、イタリアン・ロックやプログレッシヴ・ロックのファンにはよく知られたライヴ・スペース「クラブ・チッタ」があるところなのですが、実は自分、いったことがありません。チッタデッラというくらいですから、イタリアの町並みをモチーフにしたショッピング&エンタテインメント施設で、3年前にオープンしたときにいくつか記事を見たことがあり、機会があれば行ってみようと思ったまま、だけど川崎ってうちから遠いのよねぇとけっきょくそのままにしていたのです。

川崎、遠いです。電車を2回も乗り換えなければなりません。家を出てから1時間半くらいかかるでしょうか。そして訪れたチッタデッラは...

微妙だ。

微妙にヨーロッパ風の町並みが模倣されてます。中央広場(Piazza Centrale)から街中をぐねぐねっと曲がっている道を歩いていくといつのまにか1階から3階についてしまう、そこから枝分かれする小道を通るとぐねぐねをショートカットできる、という、位置関係を把握しにくい構造はなんとなくシエナを思い出して楽しくはありましたが、まぁ、それだけ。道とか広場とかにイタリア語で名称がつけられていて、それっぽいようでありながら、実際はあまりイタリアを感じませんでした。

だってさ、敷地内に入ってすぐがパチンコ屋だし、クラブ・チッタの横はジョナサンじゃん。敷地内の飲食店もラーメン屋とか餃子屋とかインド料理屋とかがあって、イタリアンをうたってるのは2軒だけ。ショッピングゾーンもこれと行ってイタリアとは関係ないし。

いったい、なにがしたいのでしょうか、ここ。なにを伝えたいのかしら、チッタデッラ。印象としては、亀戸のサンストリートと変わらないように思うのですけど。食品スーパーのつるかめランドの変わりにチネ・チッタとクラブ・チッタが入っているだけという感じでした。あまりに微妙。そして、どことなくいなたい。チッタデッラの名が泣くよ。

で、Ciao Italia Festivalです。イタリア食材の試食・試飲&販売が楽しめるというイタリア市場は... 屋台が5つくらいでてるだけ。しかも入り口(駅側)にいちばん近いところに出てる屋台は、なぜか「ぴぴっとコンロ」のデモンストレーション用。イタリア、関係ありません。びみょーびみょーと思いながらパルミジャーノを試食して、ノヴェッロ(そういえば今年は飲んでなかった)を少し飲んだけど、これといってひかれるものはなし。ワインもチーズも、日常的にそれなりのものを手に入れてるからねぇ、うち。

んでも、お目当てのフラッグショーは楽しかったですよ。会場が狭いため、全部で6人くらい、メインの旗振りは4人程度と、かなりこじんまりとしたものにはなってましたが、そしてまた、その日2回目のステージだからか、若くてイケメンの兄ちゃんはなんだか疲れた感じで足元も少しふらついていたように見えましたが、さらには赤い衣装の旗振りおじさん(38歳とかいってたな)はこのステージの少し前まで自分らがお昼を食べたのと同じ店で食事をしてたのだけど、ワインをがんがん飲んでお店のカメリエーラ(ウェイトレス)をナンパして一緒に写真を撮ったのを見ていたので妙に気になって彼ばっかり見てしまいましたが、そんなことも含めつつ、やっぱ素敵ねぇなどと思うのでした。次回はぜひ、もっと広い場所で、旗振りのお兄さん・おじさんを20人くらい&太鼓にラッパもたくさん連れてのフラッグショーを見たいですわ>アルマーズさん(アルマーズという会社が旗振り隊をイタリアから呼んでいるのです)。

そしてフラッグショーのあとはカンツォーネショー。「イタリアから来ましたヴィットーリオです」と自己紹介してましたが、彼はたしか東京在住(ウェブで調べた)。「ガラスの部屋」を演奏するときには「ヒロシです」とかいってるし、ぽっと出?のイタリア人ではなく在日暦長いぞっていう雰囲気がぷんぷんします。ウェブ上のプロフィールによると自作曲などもあるらしいですが、こういうイベントですから、ステージでは往年の有名カンツォーネ&ナポレターナしか歌いませんでした。でも年配のお客さんは喜んでたな。客席のうしろのほうには、屋台でクレープ?とか売ってたイタリア人が店を放棄して?聴きにきてました。

しかし、こういうイベントでのカンツォーネショーでいつも思うのだけど、有名カンツォーネを中心にしながらも、数曲は最近の若いシンガーの曲なども織り交ぜることってできないのでしょうか。せっかくの「イタリアのポップス」を聴く機会なのに、古い曲しか聴けないのはもったいない気がします。

そんなこんなで川崎は夕暮れて、チッタデッラをあとにしました。もしチッタデッラ内に美味しいパン屋さん(パン・ド・トスカーナとかチャバッタとかが充実してる)があったら夕飯用に買って帰ろうと思っていたのですが、その願いもむなしく、ならば川崎駅前のショッピングセンターBEで素敵なパンが買えるかと思ったら、ありきたりの甘いパンしか売っておらず、悲しみにくれながら地元の有機野菜販売店でトマトと洋ナシなどを買って帰ったのでした。

川崎は遠かった。家からの距離も、好みからの距離も。

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