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2005年9月18日 - 2005年9月24日

2005/09/22

DAVIDE DE MARINIS / QUELLO CHE HO

朝の通勤電車の中で、うつらうつらしながら聴いてたんですよ。これといって盛り上がりのないアルバムだなぁなんてぼんやりと思いながら。

Davide De Marinis(ダビデ・デ・マリニス。1971年、ミラノ生まれだそうです)の、これはデビュー・アルバムでしょうか。もともとはたしか、1999年にリリースされていたものだと思いますが、2000年のサンレモ音楽祭新人部門参加を受けて、参加曲のM1「Chiedi quello che vuoi」を追加のうえ再発されました。

サンレモ参加前からけっこうチャートの上位にいたアルバムで、当時は「人気があるんだな」と思っていたのですが、気がつけばサンレモ後の活動を聞きません。どこへいってしまったのでしょうか。いまも活動を続けているのでしょうか。

このアルバム、なんだか不思議な魅力を持っています。気持ちのいいギターのカッティング(Davideはギターを弾くようですが、このアルバムでは弾いていないようです)。粘りのある声。リズム隊もスッキリしててなかなかいいなとクレジットを見たら、Paolo Costa(パオロ・コスタ)にLele Melotti(レレ・メロッティ)というおなじみの名前がありました。

べつに、これといってキャッチーなフレーズがあるわけでもなく、ドラマティックに盛り上がるわけでもなく、哀愁や郷愁に心揺さぶられるわけでもなく、普通に軽快なポップ・ロックが演奏されているだけです。なので、とくにどの曲が印象に残るとか、いいアルバムだぁと感動できるわけではありません。なのに、ぼやぁっと聴いてるうちに、なんだか耳にしみこんでくる。けっこう平凡だなぁと思っていたはずなのに、アルバムの後半へと進むにつれ、いつのまにかDavideのアルバムの世界で心地よくたゆたっている自分を見つけちゃったりするのです。

ときにラテン・ポップ風であったり、一瞬Eros Ramazzotti(エロス・ラマッゾッティ)がおとなしくなったような印象を受けたり、不意にLucio Battisti(ルーチォ・バッティスティ)の影が横切ったような気がしたり。一見、軽快なだけのポップスのように見えて、実は演奏やアレンジがきちんと過不足なく練られている。そういう意味で、なかなかクオリティの高い作品のようなのです。電車の中でぼやぁ~っと聴いてる場合じゃなかったのかもしれない。かといって、スピーカーの前でキッチリ構えて聴いたら、それはそれでこのアルバムの魅力を聞き誤るかもしれない。そんな、どこか妖しい魅力を感じます。あとでまた聴きなおさなくちゃ。

ちなみにDavideはCattivi Pensieri(カッティヴィ・ペンシエーリ)とつながりがあるようです。Cattivi PensieriのギタリストのDavide Bosio(ダヴィデ・ボジオ)がプロデュースとアレンジを担当し、演奏にも参加していますし、ヴォーカリストのCinzia(チンツィア)もコーラスで参加しています。もしや、もともとはCattivi Pensieriのバックかなにかで歌ってたのでしょうか?

いまはどうしているのかなぁ。このアルバム1枚だけで消えてしまうのは、ちょっともったいない気がしてきました。

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2005/09/21

TONY CICCO / OGNI VOLTA CHE VEDO IL MARE

Tony Cicco(トニー・チッコ)といえば、自分のようにイタリアン・プログレッシヴからイタリアン・ポップスの世界に入ってきた人にとってはFormula 3(フォルムラ・トレ)のドラマーという印象が強いのですが、Formula 3が解散したのって1973年ですものねぇ(その後、1990年頃に再結成されましたけど)。グループ解散後はソロ・シンガーとして活動を始め、ソロ・デビューである名作カンタウトーレ・アルバム『Notte』をCico(チコ)名義でリリースしたわけですが、その後の彼の活動って、ほとんど(というか、自分的には完全に)ノーチェックでした。

で、このアルバムです。イタリアのネットショップで安く売ってたので、なんとなく買ってみました。ドラムセットのうしろで立ち上がり、スティック2本を握った右手を前に差し出し、マイクに向かっているジャケット写真のTonyは、今にも「おまえのっ、すべぇて~」(from 「好きさ、好きさ、好きさ」)と歌いだしそうですが、顔が思いっきり笑顔なのでこの曲は歌わないでしょう(あれは苦しげに歌わないとね)。

もともと1997年にリリースされたアルバムのようで(手元にあるのは2004年の再発盤)、すべての曲の作曲にTonyがからんでます。2曲ではGaio Chiocchio(ガイオ・キォッキォ)、1曲でMario Casteunuovo(マリオ・カステルヌオヴォ)のクレジットも見られます。しかし、GaioやMarioがからんでいる(おそらく作詞の部分でしょう)からといって、カンタウトーレ的なロマンティックさや趣の深さが出るわけではなく、アルバム全体を通しては小洒落た雰囲気をぷんぷん振りまく軽快なポップス作品になっています。

M1の「Yeah boom boom」はタイトルどおり、「イエー、ブンブン」って感じのリズミカルな曲で、このままToni Esposito(トニ・エスポジト)のようなパーカッシヴ・フュージョンになっていくのかと一瞬思いましたが、Tony Ciccobのドラムってどちらかというと「歌う」系なので(だからIl voloには呼ばれなかったのか?)、そうはなっていかないのでした。しかし、やはりドラマーのつくったアルバムですから、リズミックな曲は多いですね。そこに都会的な洗練が加わり、ときに英米のシティ・ポップス風だったりします。

ドラムはもちろんTony自身が叩いており、最近の打ち込みドラムに支配された躍動感のないリズムとは違う、人間らしいあたたかみが感じられます。この点はグッド。しかし、ベースはコンピュータによるプログラミングで、音もフレーズも単調なのが残念。やはりベースとドラムは人間がそれぞれに息を合わせつつおたがいを刺激してグルーヴ感を出していくのがいいです。コンピュータだとどうしても「揺れ」が少ないし、あっても意図的な揺れになっちゃうのよねぇ。

どの曲もポップで軽やかで聴きやすく、またTonyはあいかわらずひび割れたいい声をしていて、ちょっとしたブレイクタイムにリラックスして聴く分にはよさそうです。ただ、それぞれの曲は悪くないのだけど、これといって飛びぬけた名曲や印象に残る曲がないのが残念なところ。そのため、アルバムとしての起伏やドラマ性には欠けています。そんななかでもGaioが曲づくりに絡んでいるアルバム・タイトル曲のM7「Ogni volta che vedo il mare」は、ポップながらもカンタウトーレらしいフレーズが見え隠れし、もしやここから盛り上がるか、という予感を抱かせるのですが、予感だけで終わってしまいました。この予感をさらに推し進めるような、もっと魅きつける、印象的な曲が1曲でもあれば、アルバムの印象もずいぶん変わったことでしょう。逆にいえば、これといって強い個性が曲にないので、聴いていてじゃまにならない、聴きやすいともいえます。カフェとかでBGMにかけておく分にはいいかもしれません。

ちなみにアルバムの最後は「Raindance」という短い曲なのですが、タイトルどおり、雨乞いの踊りのような、ちょっと儀式めいた雰囲気を持った妙な曲です。なぜこれがアルバムのエンディング? なんか締まらないなぁ。

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2005/09/20

恒例!イタリアン・ポップス・ファンの集い報告

関東近郊在住のイタリアン・ポップス・ファンの、月に1度のお楽しみ、Yoshioさん主催によるイタリアンポップスFESTAが9月17日(土)に行なわれました。

いやぁ、今回は参加人数が多かった。初回も多かったけど、同じくらいかなと思ってたら、総勢28人で過去最高の参加者数、新顔さん比率も36%と過去最高だったそうです。そんなわけで、非常に活気にあふれた、というか騒がしい(笑)会場で、今回もたくさんの曲が紹介されました。

この会はいちおう16時スタートなのですが、そこは「自称前世はイタリア人」みたいなファンが集うパーティですから、時間どおりに全員がそろうわけがありません。Rit.30min(30分の遅延。イタリアの駅の電車案内掲示板でよく見かけます)なんてものは遅れたことに入りませんし、なかには「いやぁ、ショーペロ(イタリア名物のストライキ)があってさぁ」なんて言い訳をする人も(いや、そんな人はいません)。だいたい17時から20時くらいまでにかけて、ダラダラと人が集まってくるのです。そして、終了は22時なのですが、お住まいが遠い方などは19時から21時くらいにかけて、ダラダラと退席していくのです。そんな時間のゆるさがとってもイタリア~ン。

今回も、会場がそれほど人であふれかえる前、そしてみんなの体中にアルコールが回る前に、ゆるゆるとパーティはスタート。まずはYoshioさんが、最近、紙ジャケットで再発されたCatelina Caselli、Alice Visconti、Riccardo Fogli、Il giardino dei sempliciから1曲ずつ紹介。どれも自分は以前の国内盤リリースで持っていますが、なにげで聴くのはひさしぶりだったりして、やっぱ安心して聴けるなぁなどと思ってしまいます。

引き続き、PoohとRiccardo Fogliによる「In silenzio」の聴きくらべ、Il divoというグループとAleandro Baldiによる「Passera'」の聴きくらべが行なわれました。Aleandro Baldiの歌声を聴くのは本当にひさしぶりで、伸びやかでいい声だぁ。

少しずつ人も増えてきて、アルコールも回り始めたあたりで、自分が担当するAmedeo Minghiの特集コーナーです。「Serenata」「Ohi ne'」「Un uomo venuto da lontano」「Anita」と、1970年代から2000年くらいまでの曲を少しずつ紹介しました。Amedeoは派手さや華やかさに欠けるところがあり、パーティで紹介するのはあまり似合わない感じでしたね。とてもいいアーティストなのだけど、家でじっくりと聴いたほうがいいかも。というあたりは事前に多少、予想していたので、Amedeo関連作として、Miettaの「Vattene amore (con Amedeo Minghi)」とAntonio Decimoの「L'inveruno non e' qui (con Amedeo Minghi)」も紹介。とくにAntonioはほとんど無名で、おそらく唯一と思われるこのアルバムもずいぶん前から入手困難なはずで、いわば秘蔵の1枚なのですが、会場に来ていたプーリア出身のイタリア人女性がこの曲を「懐かしい」といっていたのが意外でした。

この日は会場に、イタリアまでAmedeoのコンサートを観にいった(しかも着物を来て会場入り!)というJunchitaさんもいらっしゃり、現地で撮影した写真やビデオなども見せていただきました。なんだか、自分なんかがAmedeoを紹介するのは申し訳ないくらい、深く強くAmedeoの音楽を愛されている方で、彼のことを語りだすと満面の笑顔になるのが印象的でした。

その後も、POP! ITALIANOのKAZUMAさんがLucio BattistiとSergio Endrigo、さらに、自分が強くお願いしたStefano Poloも紹介してくださりました。Sergioは最近亡くなったのですよね。あまり聴いたことのない人なのですが、いかにもイタリアらしい曲と声でした。Stefanoも、思ったよりポップな曲もありましたが、Claudio Baglioniに似たようなところもあり、聴かせてもらえてよかった。ずいぶんむかしに廃盤になっていて、いまではもう手に入らないのですよ。

そしてPoohlover.netのSiriusさんによる、New TrollsとLe Ormeの紹介へと続きます。しかしこのころになると、会場には参加者の大半が集まり、アルコールも適度に回り、かなりにぎやかになっていました。自分も、おなじみの方や新規の方などとしゃべったりしてて、実はあんまりよく音楽を聴いていなかったというか、聴こえなかったというか。New Trollsでは、大好きな「Chi mi puo' capire」が紹介されたのに気づかなかったという失態も...

そんなわけで、イタリアン・ポップスを楽しむパーティとしては、参加者28人というのは、このあたりが上限だなぁという感じです。参加者が多いのはにぎやかで楽しくはありますが、音楽が完全な脇役に回ってしまいます。自分個人としては、このパーティは、イタリアン・ポップスのファンの方との交流を楽しむという面もありますが、それと同等以上に、音楽そのものを楽しむ、自分がこれまで知らなかった曲やアーティストに出会ったり、しばらく聴いていなかったアーティストに再会したり、いままで気づかなかったよさを発見したり、といった部分への期待があるのです。それを考えると、人数的には20人強あたりが適しているような気はします。

今回のFestaでは、日本盤CD再発にSergioの訃報にLe Ormeの来日と、ちょっとしたニュースが重なり、それに関連した曲の紹介追加が急きょ決まったこともあり、CD&DVDで38曲もの紹介がありました。5分を超えるような曲も少なくなく、続けて3時間くらい、ずっとなんらかのレビュー/紹介というのも、ちょっとダラダラした印象になった理由かもしれません。当日に紹介された曲リストを見ると、どれもいい曲ばかりなんですけどね。でも、半分くらいは自分も聴いてませんでした(汗)。

そして最後は恒例の、みんなで歌おうのコーナー。ここでRenato Zeroの「Cercami」が採用されたのはびっくりです。これはいいきょくだぁ&歌えてうれしいbutけっこう難しい。だけど、挑戦しがいがあります。次回はぜひ「Figaro」も採用してほしい。そして最後はおなじみClaudio Baglioniの「Sabato pomeriggio」。さびの高音はやはり厳しいです。声つぶれました。でもでも、メロディの美しさと構成のドラマティックさにやはりしびれてしまいます。そして、すっごく「歌いたい!」と思ってしまうのです。

などとしているうちに、すぐに終了時間の22時がきてしまいました。このパーティもすでに6回目。いまでは、とくに「終了!撤収!!」宣言が出なくとも、時間がくると常連を中心にどんどんとあとかたづけをし、さくさくと撤収できるようになりました。そして最後にロビーで記念撮影。こうして今月もイタリアンなパーティ・ナイトは過ぎていったのです。

いつもであれば、このままみんな、とっとと帰るのですが、今回は亀戸駅前の喫茶店でミニ2次会も行ないました。駅に向かう横断歩道で信号待ちをしているときに、「手落とし珈琲」とか「珈琲侍」といった怪しげな文字が書かれたお店に気をとられてしまったからです。そこで有志を募り、8人でコーヒーを飲みに。イタリアンの会のあとなので、気分的にはエスプレッソが飲みたかったのですが、残念なことにメニューになく、普通にキリマンジャロを飲みました。ミニ2次会参加者のおおかたがコーヒーを飲む中、なぜかアルコールを飲んでいる人が約2名、そのうちのひとりはなぜかシュウマイも食べている(笑)。

今回のFestaは予想以上に参加者が多く、会場の食料と飲料がちょっとばかり不足気味でした。とくに食料が、お菓子類は多かったのですが、主食やおかず系がたりなめで、おなかがすいてしまった方もいらっしゃったようです。ポットラック形式のパーティで、参加者がそれぞれに適当になにかを持ち寄るため、やたらとお酒ばかり集まったり、やまほど揚げ物があったりと、なかなかバランスよく飲食物がそろいません。そのへんも含めて、おもしろがってもらえるといいですねぇ。

次回のFestaは10月15日(土)だそうです。今度はどんなパーティになるのでしょうか。楽しみだわ。

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