« ふりかえればまだそこに | トップページ | DANIEL SENTACRUZ ENSEMBLE / MADE IN ITALY »

2005/10/12

過ぎ去った“時”は戻らない

先週、ひさしぶりに映画を観にいきまして。3週間ぶりくらいかなぁ、劇場で観るの。ここのところ仕事が忙しかったので、なかなかいけなかったのですよ。

観たのは『チャーリーとチョコレート工場』。おもしろかったですよ。んで、観た感想などを昨日の朝、けっこうたっぷり書いたのですが、書き終わって「保存」のボタンを押した瞬間、ココログがメンテナンスに入りまして... 通常であれば文書登録画面に行くところが「ただいまメンテナンス中です」画面になってしまい、それではとブラウザの「戻る」ボタンで前画面に戻ろうとしたのですが、戻れない。けっきょく、朝早くに一生懸命書いた文章は消えてしまいました。ちっ。エディタで書いてからコピペするんだった。

というわけで、もうこの映画の感想は書きません。でも、キーワードだけ。

「ウンパ・ルンパさいこー!」
「ジョニー・デップがウォンカさんのモデルにしたのは、マイケル・ジャクソンよりも、ミッキーマウスの“闇の部分”に違いない」


さて、昨日のお昼は神楽坂のビストロ・イデアルで食べたのですが、シェフが黒岩さんから椎名さんに代わって2週目。先週は1品しかなかったワンプレートランチが、今週は2品(肉と魚)からのチョイスとなっていました。それについては歓迎したいところですが、なんとなく、以前にくらべると「昼から美味しいものをしっかり食べた」という満足感が得られないのは、なぜかしら。

それよりも、残念なこと。大園支配人が今月末で退職するのです。大園さんから直接、お知らせいただきました。

実は自分、大園さんが今月いっぱいだということを、以前から知っていました。先にお店を辞められたスタッフの方から聞いていたので。でも、本人から直接聞くと、やはりショックというか、残念な気持ちでいっぱいです。

ビストロ・イデアルがオープンして2年とちょっと。自分が通い始めたのは1年半くらい前からでしょうか。おいしい“メイン・ディッシュ”をランチ時間に食べられるお店を探して神楽坂のいろいろなフレンチやイタリアンを物色していた頃です。イデアルではじめて食べた料理がなんだったか、いまとなっては覚えていませんが、ただ「この店の料理は、違う!」と鮮烈に思った記憶は残っています。以後は、イデアルとの食べくらべで「どっちのお店のほうが美味しいか」がお店選びの判断基準となり、けっきょくイデアルと同列に並ぶお店はリストランテ・ステファノしか見つけられなかったのです。

イデアルの圧倒的な強みだった、繊細で丁寧につくられた素晴らしい料理の数々を提供してくれた黒岩シェフは、いまはもうイデアルにいません。シェフの素晴らしい料理を楽しげに運んでくれたホールの杉嵜さんも、もういません。そして、シェフの料理に劣らず丁寧で、しかもときに愛嬌たっぷりなサービスをしてくれた大園支配人も、まもなくイデアルを去るのです。

たった1年半くらいの期間です。それに自分は1週か2週に1度ランチを食べにいく程度の客です。ディナー利用は4回くらいだったかな。お店で過ごしたトータルの回数や時間なんて、そんなにたいしたものではありません。

でも、その少ない時間のなかで、たしかに「素敵な時間」をすごし、お店とお客との「しあわせな関係」を彼らとともに楽しんできたのです。たった16席程度の「ビストロ・イデアル」という小さなお店で。

いつもの場所に、黒岩さんがいて、大園さんがいて、杉嵜さんがいて、そして自分がいる。そこで生み出されたしあわせな時間は、もう戻りません。誰かが抜けても、なにかが変わっても、同じものは生み出せません。それはしかたのないことだし、悪いことではありません。新しいスタッフと新しいお客のあいだでは、新しい「しあわせな関係」をつくればいいのですから。

でも、自分はおぼえておくでしょう。ビストロ・イデアルという小さなお店で、素敵な料理人とホール・スタッフとともに過ごした“しあわせな時”を。

「サービスは一期一会」

香川県にある小さなフレンチ・レストランでマダムを務める麻本いをりさんの言葉です。

お店は変わらずそこにあるかもしれないけれど、そこで働く人とそこを訪れるお客は、いつまでも変わらないというわけではありません。だからこそ、毎回を大切にしたい。素晴らしい料理人とスタッフに提供される素敵な食事を、その時間と空間を、大切に楽しみたい。だって、そのために「レストラン」にいくのですから。

突然の退職でひとことも挨拶できなかった黒岩シェフ、これまでありがとう。あなたの料理は本当に美味しかった。病気を治されて、いずれどこかのお店に復職されたときは、ぜひまた食べに行きたいです。

杉嵜さん、楽しく華やかなサービスをありがとう。いずれどこかで、一緒にワインを飲みましょう。

そして、大園支配人。きめ細やかであたたかい心遣いをありがとう。ワインや料理についてもいろいろ教えてくださってありがとう。丁寧なサービスをありがとう。人懐こい笑顔をありがとう。退職後はしばらくご実家のほうで静養されるとのことですが、いずれどこかのお店に復職されたときは、ぜひまた大園さんのサービスを受けたいです。あ、でもまだイデアルでの勤務が3週間ほどありますね。来週も再来週も、ランチ食べにいきますからーっ。


|

« ふりかえればまだそこに | トップページ | DANIEL SENTACRUZ ENSEMBLE / MADE IN ITALY »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

もあさんのようなお客さまに恵まれたら、
しあわせだ・・・。

そういうお客さまに育てられてるのよね。
お店って・・・。

投稿: いをり | 2005/10/18 09:24

今週土曜のディナー、予約入れちゃいました。大園さんがいるうちに、もう一回、妻と一緒にゆっくりと食事を楽しみたいと思って。いつも1時間の昼休みでの利用だから、ちょっとあわただしいのよねぇ。
なにか、美味しいワインをあけてもらおうっと。

投稿: もあ | 2005/10/18 16:24

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 過ぎ去った“時”は戻らない:

« ふりかえればまだそこに | トップページ | DANIEL SENTACRUZ ENSEMBLE / MADE IN ITALY »