DAVIDE DE MARINIS / QUELLO CHE HO
朝の通勤電車の中で、うつらうつらしながら聴いてたんですよ。これといって盛り上がりのないアルバムだなぁなんてぼんやりと思いながら。
Davide De Marinis(ダビデ・デ・マリニス。1971年、ミラノ生まれだそうです)の、これはデビュー・アルバムでしょうか。もともとはたしか、1999年にリリースされていたものだと思いますが、2000年のサンレモ音楽祭新人部門参加を受けて、参加曲のM1「Chiedi quello che vuoi」を追加のうえ再発されました。
サンレモ参加前からけっこうチャートの上位にいたアルバムで、当時は「人気があるんだな」と思っていたのですが、気がつけばサンレモ後の活動を聞きません。どこへいってしまったのでしょうか。いまも活動を続けているのでしょうか。
このアルバム、なんだか不思議な魅力を持っています。気持ちのいいギターのカッティング(Davideはギターを弾くようですが、このアルバムでは弾いていないようです)。粘りのある声。リズム隊もスッキリしててなかなかいいなとクレジットを見たら、Paolo Costa(パオロ・コスタ)にLele Melotti(レレ・メロッティ)というおなじみの名前がありました。
べつに、これといってキャッチーなフレーズがあるわけでもなく、ドラマティックに盛り上がるわけでもなく、哀愁や郷愁に心揺さぶられるわけでもなく、普通に軽快なポップ・ロックが演奏されているだけです。なので、とくにどの曲が印象に残るとか、いいアルバムだぁと感動できるわけではありません。なのに、ぼやぁっと聴いてるうちに、なんだか耳にしみこんでくる。けっこう平凡だなぁと思っていたはずなのに、アルバムの後半へと進むにつれ、いつのまにかDavideのアルバムの世界で心地よくたゆたっている自分を見つけちゃったりするのです。
ときにラテン・ポップ風であったり、一瞬Eros Ramazzotti(エロス・ラマッゾッティ)がおとなしくなったような印象を受けたり、不意にLucio Battisti(ルーチォ・バッティスティ)の影が横切ったような気がしたり。一見、軽快なだけのポップスのように見えて、実は演奏やアレンジがきちんと過不足なく練られている。そういう意味で、なかなかクオリティの高い作品のようなのです。電車の中でぼやぁ~っと聴いてる場合じゃなかったのかもしれない。かといって、スピーカーの前でキッチリ構えて聴いたら、それはそれでこのアルバムの魅力を聞き誤るかもしれない。そんな、どこか妖しい魅力を感じます。あとでまた聴きなおさなくちゃ。
ちなみにDavideはCattivi Pensieri(カッティヴィ・ペンシエーリ)とつながりがあるようです。Cattivi PensieriのギタリストのDavide Bosio(ダヴィデ・ボジオ)がプロデュースとアレンジを担当し、演奏にも参加していますし、ヴォーカリストのCinzia(チンツィア)もコーラスで参加しています。もしや、もともとはCattivi Pensieriのバックかなにかで歌ってたのでしょうか?
いまはどうしているのかなぁ。このアルバム1枚だけで消えてしまうのは、ちょっともったいない気がしてきました。
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コメント
なく印象などをRamazzottiしなかったの?
投稿: BlogPetの小丸 | 2005/09/25 13:41