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2005/08/12

UMBERTO TOZZI / DONNA AMANTE MIA


いまも元気に活動を続けているベテラン・カンタウトーレ、Umberto Tozzi(ウンベルト・トッツィ)のデビュー・アルバムです。

Umberto Tozziといえば初期の大ヒット曲に「Gloria」があるように、英米のポップスにも通じる華やかなポップ・センスを持っている人で、彼のアルバムにはそういった軽やかな印象を受ける曲を多く見つけられるように思うのですが、デビュー作であるこのアルバムでは、いかにもイタリア的な情緒に満ちた曲が大半を占めています。

M1のアルバム・タイトル曲「Donna amante mia」で一気につかまれてしまいます。やわらかくおとなしいパートから、サビでは多人数による美しいコーラスをかぶせてぐわっと盛り上がる。こういった構成のドラマティックさはイタリアン・ポップ・ミュージックの真髄ですね。

つづくM2「Ripensando alla freccia del sud」はUmbertoらしい英米ポップスにも通じるような明るく軽やかな曲。情緒的でドラマティックなM1のあとにこういう曲が続くと、このまま一気にポップ路線に進んでしまうアルバムかと、個人的にちょっと心配になります。こういった曲も悪くはないのですが、自分としては、やはりイタリアらしい情感が感じられる曲のほうが好きなわけで。

などと思っていると突然にM2は終わり、アコースティック・ギターののんびりした音色が聴こえてきます。この落差がまたたまらない。こういった曲配置の妙というか、単曲だけではなく曲同士の並び・連なりでもドラマやストーリーを感じられるのがアルバムのいいところですね。ちなみにこのM3「Io camminero'」は、Il volo(イル・ヴォーロ)がバックを務めたFausto Leali(ファウスト・レアーリ)のアルバム『Amore dolce,amore amaro,amore mio』でカバーされているので、日本でもこの曲のことを知っている人は多いでしょう。

以後は比較的穏やかでイタリアらしい曲が続きます。M5「Mi manca」は彼の大ヒット曲「Ti amo」に通じる匂いを感じます。M8「Scegli」でまた少し軽いポップスが聴けますが、最後はバラード「Tu sei di me」で美しく幕を閉じます。

彼のアルバムは何枚か持っていますが、手持ちのなかではこのアルバムがいちばん自分は好きかもしれません。ちなみにうちにあるCDは、ジャケット(歌詞カード)の表はちゃんとこのアルバムのものなのですが、なかに掲載されている歌詞の半分はなぜかEnrico Ruggeri(エンリコ・ルッジェーリ)の『Polvere』というアルバムのものです(残りの半分はこのアルバムのもの)。変なの。

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コメント

私、このアルバム持ってました・・・けど、売ってしまいました(汗)。当時はよさがわからなかったのでしょう~そういうアルバム、私多いんです。トロルスの一枚目や、トレやヴォーロなどは、始めはわからなくて売っ払い、でも、どうしても気になって買い直し、今では家宝級(^-^;)。
これを機会にトッツィさんのこのアルバム、聴いてみます!

投稿: 岩橋 信之 | 2005/08/13 23:25

もあが、いいところです情感やポップスとか持っている
イタリアで自分とやわらかく初期といいところですものなど思っていると
やわらかく単曲とか、広いアルバムなどを心配したかった。


投稿: BlogPetの小丸 | 2005/08/14 11:30

>岩橋さん

売ってしまいましたかぁ(笑)。

最初に聴いたときにはよさがわからないこと、よくありますよね。でも何年か経ってから聴いてみたら、すごくよかった、みたいな。逆に、最初はすごくいいと思って聴いてたのに、何年か経って改めて聴いてみたらすごく平凡に聴こえちゃったり。聴く側の好みとか音楽的素養の深さとかって、時が経つと変化する部分がありますから。

そういったことも含めて、音楽って楽しい。そんななかで自分が「これ、いい!」と思える音楽との出会いは、ある種の奇跡なのかもしれません(おおげさな)。

Tozziのこのアルバムも、機会があったら、また聴いてみてくださいね。

そういえば、来週のFestaは来ないの?

投稿: もあ | 2005/08/14 12:27

またまた書き込ませて下さい・・・。

>そういえば、来週のFestaは来ないの?

ううう、ちょうどその日は研修なんです・・・。
九月こそは行きたいのですが、9/17はマグマのライブ(^-^)なんですよね~

>最初に聴いたときにはよさがわからないこと、よくありますよね。

私、P.フロイドは正にそれでした。昔は、あのサイケデリックな感じとブルース・ソウル的味わいが、私なんかの求めるヨーロッパ的美意識(?)と大きく異なり、イマイチ入り込めませんでした・・・が、今はいわゆる五大バンド(?)の中で一番気になる存在です。本人たちもコントロールできなかったであろう衝動のカタマリと、ヒューマンな“歌”・・・こりゃスゴイわ。最近は“Meddle”を三日に一度は聴いてます。LIve8での再結成(?)、一曲しか聴けません(見れません)でしたが、特にR.ウォターズはカッコよ過ぎ!

投稿: 岩橋 信之 | 2005/08/14 16:28

おぉ、Pink Floydは自分にとって特別なグループです。高校生のときに彼らに出会ったから、プログレ・ファンになり、ユーロ・ロックのファンになり、イタリアン・プログレのファンになり、いまのイタリアン・ポップス・ファンへとつながるのです。

もう、高校生のころは、ほとんど毎日Pink Floyd聴いてました。ハンドルの「もあ」がPink Floydの『More』からきている(それだけではないのですが)というのは、知る人ぞ知る秘密?だったりします。

ちなみに、以前は『Middle』『The Dark Side of the Moon』などが好きでしたが、いまいちばん好きな彼らのアルバムは『The Final Cut』です。実は彼らのアルバムのなかでもっとも「歌」があり、「緊張感」があり、「美」があるのは、このアルバムじゃないかと思ってます。

Live8のPink Floyd、自分は見てないんですが、Rogerが復帰してるんですか? それは素晴らしい。自分はRogerの歌声が好きなんです。そこにDavidのエモーショナルなギターが鋭く切り込んできたなら、ぞくぞくしちゃうな。

投稿: もあ | 2005/08/14 20:30

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