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2005/08/21

イタリアン・ポップス・ファンの夜はふけて


昨日(8月20日)は、東京近郊在住イタリアン・ポップス・ファンの月に1度のお楽しみ、Yoshioさん主催の「イタリアン・ポップス・ファンのFesta」でした。先月のFestaは7月23日(土)に行なわれたのですが、会場に向かう途中で大きな地震があり電車が止まってしまい、けっきょく自分はたどり着くことができなかったので、2か月ぶりのFestaです。

今回は夏休み期間中ということもあってか、これまでよりもちょっと参加者が少なめで(それでも19人いたらしい)、いくぶんこじんまり感はありましたが、CD/DVDによる音楽鑑賞パートは充実していて、イタリアン・ポップスを楽しむ会としてはなかなかいいバランスだったのではないかと思っています。

会場ではGigi Finizio(ジジ・フィニーツィオ)、Marco Masini(マルコ・マジーニ)、Gianluca Grignani(ジァンルーカ・グリニャーニ)、Cesare Cremonini(チェーザレ・クレモニーニ)のニュー・アルバムからそれぞれ数曲ずつ紹介され、最近新譜をほとんど買わなくなってしまった自分にはありがたいです。

Marcoは相変わらず暑苦しく、Gianlucaは初期の荒い感じがすっかりなくなったやさしい音になっていて、少し前から彼らに対して感じていた「個人的には、もういいかな」感をあらためて確認しました。

一方、古いアルバムしか持っていないGigi Finizioはいっそう都会的ナポリ・ポップスな様相を強めており、Gigi D'Alessio(ジジ・ダレッシオ)ぽくなってきたなぁという印象です。彼は声がいいし、こじゃれたアレンジやメロディをスマートにかつナポリらしさを失わずに歌えるようで、Gianni Fiorellino(ジァンニ・フィオレッリーノ)よりもいろんな部分で上な印象を受けましたさ。

Cesare Cremoniniは、ソロ・デビュー作はひとりLunapop(ルナポップ)な印象がけっこう残っていましたが、今回紹介してもらった2曲のうちの1曲では違った印象を出してきていて、だけど彼の特色でもあるノスタルジックな雰囲気はきちんと残っていて、なかなかいい感じです。これは自分もあとで買おうと思いました。1年くらいすればきっと、イタリアでの売価が下がるでしょうから(それまで待つのかよ!)。

自分はAntonella Ruggiero(アントネッラ・ルッジェーロ)特集担当ということで、Matia Bazar(マティア・バザール)時代から2曲、ソロになってから4曲(うち2曲は今年リリースの最新アルバムから)を紹介しました。Matia Bazarがデビューしたのが30年前、日本でアルバムがリリースされけっこう人気があったのが20年ほど前、AntonellaがMatia Bazarをやめたのが15年ほど前。自分くらいの世代のイタリアン・ポップス・ファンにとってはMatia Bazar = Antonellaな印象がとても強いのですが、最近のファンの方はそうでもないんだろうなぁ、というか、AntonellaがMatia Bazarにいたことを知らない、もしかしたらMatia Bazar自体もAntonellaのことも知らない、なんて状況だったら困ったなと思いつつの紹介でしたが、Matia Bazarをよく知っている古くからのファンの方はもちろん、Matia BazarにもAntonellaにもあまりなじみのない方にもAntonellaの素晴らしいヴォーカルを堪能していただき、会場にいた多くの方に喜んでもらえたようでよかったです。

ちなみにCD紹介のコーナーは、POP! ITALIANOのKazumaさんPoohlover.netのSiriusさん、それに自分の3人で担当したのですが、アーティストや音楽の背景などを客観的に紹介するKazumaさんSiriusさんに対し、自分はどうしても主観的な評価・紹介になってしまいます。それぞれのサイトでのアルバム紹介のしかたを見ても、そういった傾向は明らかですが(笑)。せっかくAntonellaを紹介する機会をYoshioさんがくださったのに、「いい声でしょ~」とか「素晴らしい!」みたいな伝え方しかできなくてごめんなさいね、会場にいらっしゃったみなさん。

CDコーナーの前にはYoshioさんによる「聴きくらべ」のコーナーもありました。

少し前にメーリングリストで話題になった「Poster」の聴きくらべでは、オリジナルのClaudio Baglioni(クラウディオ・バッリォーニ)ヴァージョンを初めて聴くという方もいたようで、彼の美声が会場中に響き渡るのはファンとして気持ちいいものでした。しかし、その後にかけられたNew Trolls(ニュー・トロルス)によるカバーも、冒頭からNew Trollsらしい完璧なコーラス・ワークが飛び出し、初めてこのカヴァーを聴いた方には衝撃的だったようです。その後も大胆にコーラスを導入するだけでなく、転調も繰り返すなど、オリジナルとは違ったNew Trollsならではの魅力満載のカヴァーになっており、Claudioのヴァージョンとくらべても遜色のない、非常にクオリティの高いアレンジを楽しめました。

会場でみんなで歌うことの多い「Anima mia」の聴きくらべでは、オリジナルであるI cugini di campagna(イ・クジーニ・ディ・カンパーニァ)のほか、Claudio Baglioni(クラウディオ・バッリォーニ)とMr.Max(ミスター・マックス)とかいうグループによる2つのカヴァー・ヴァージョンが紹介されました。Claudioファンである自分にとっては圧倒的にClaudioヴァージョンが素晴らしい! オリジナルよりも数段いい!! と感じてしまうのはしかたのないところですが、Mr.Maxとかいう変なヒップ・ホップ系グループのラップと言葉遊び(オリジナルの歌詞のパロディになってるらしいのですが、イタリア語がまったくわからない自分はぜんぜん内容を理解できません)が入り混じった「Anima mia」もなかなかおもしろく、これもオリジナルよりいいかも、Cuginiの立場はどこに? な状態でした。

また、1998年に来日コンサートをおこなったMichele Zarrilloの「Una rosa blu」を、あんき~おさんが「いい! いい!!」と騒いだからかにわかに人気アーティストになってきた若手のDennis(デンニス)がカヴァーしているというので、その聞きくらべもありました。Dennisは、意外と(失礼な)いいです。少ししわがれた声の感じがMicheleにちょっと似てることもあり、違和感はまったくありません。んが、フレーズのはしばしに独特のこぶしを回すようなクセがあり、Micheleのオリジナルになじんだ耳には少し不思議に感じました。でも、なかなかいいかも、Dennis。機会があったらアルバムを手に入れよう。たしかファースト・アルバムはすでに10ユーロくらいに値下がりしてた気がするしな。

ほかにも、DVD鑑賞のコーナーではCDコーナーと関連してGigi FinizioやMatia Bazar、それに紙ジャケット再発でここのところ日本国内のファン歓喜のPoohなどが紹介されました。

恒例となっている「みんなで歌おう」のコーナーは、Gino Paoli(ジーノ・パオーリ)の「Il cielo in una stanza」、Adriano Celentano(アドリアーノ・チェレンターノ)の「Azzurro」、Umberto Tozziの「Ti amo」、そして聴きくらべもした「Anima mia」の歌詞がYoshioさんから配られ、まずはCDで歌詞を見ながら曲を聴いてメロディなどを覚え、そのあとにYoshioさんのギター伴奏でみんなで歌うという、これまでとは違うスタイルで始まりました。これまで、その歌を知っている人は歌えるけど知らない人は歌えない、演奏される曲のなかに自分が知っている曲がぜんぜんなくて歌えない、といった点でさびしい思いをしていた参加者の方もいらっしゃったと思うのですが、このやり方だと少なくとも何曲かはみんなと一緒に歌えますね。うん、これはなかなかいいアイデアだと思います>Yoshioさん

そのあとは、半分Yoshioリサイタルみたい(笑)になりながらも知っている曲があれば勝手に歌に参加するというかたちで「歌おう!」のコーナーが続けられ、自分も何曲かで声を出してきました。

もちろん、音楽を聴く・楽しむ以外の、参加者同士の歓談・交流もいつもどおり。たまたま会場となっているマンション最上階の部屋からどこかで行なわた花火大会の花火も見られました。

また、このFestaはポッドパーティ(食べ物や飲み物を参加者がそれぞれ持ち寄る形式のパーティ。そのかわり、参加費は無料なんです)なので、毎回、なにが食べられてなにが飲めるか、個人的に楽しみにしているのですが、昨日も野菜を肉で巻いて焼いたものあり、定番の唐揚げやコロッケあり、美味しいパンやおこわあり、巻き寿司やいなりずしもあり、おなかもいっぱいです。飲み物も、最近mixiの「ワイン 大好き!」コミュニティで話題になったフランスのSo2無添加ワインあり、サルデーニャ産の味わい豊かな赤ワインあり、すっきりさわやかなスプマンテ(スパークリング・ワイン)あり、きりっとした白ワインあり、食後に楽しい甘口のドイツワインありと、バラエティ豊かな品揃え(というのか?)。これでもう少しワインのおつまみ系のものがあれば個人的にいうことなしです(笑)。

東京は相変わらず毎日蒸し暑く、暑さと湿度に弱い自分としては「もう勘弁してください」状態が続いているのですが、パーティのあいだは蒸し暑い不快さをしばし忘れられる、素敵なイヴニングでしたわ。Yukoさん、Pizzanoさん、あんき~おさんら素敵な女性陣にもまたお会いできましたし、初めてお会いする丸岩さんとはMatia Bazarで妙に盛り上がったし。自分は人見知りするので(誰も信じてないな!)あまりお話をしなかった方もたくさんいらっしゃいますけれど、毎回のパーティで少しずつみなさんとお話もしていこうと思っていますので、次回以降もよろしくお願いしますね。自分、人の名前と顔を一致させて覚えるのが苦手なもので、次にお会いしたときに「お名前、なんでしたっけ?」とか聞いちゃうこともあるかもしれませんが、どうか許してくださいね。

次回のイタリアン・ポップス・ファンのFestaは9月17日だそうです。いずれ主催者のYoshioさんからの告知がYoshioさんのBlogうちの掲示板などに掲載されると思います。東京近辺にお住まいのイタリアン・ポップス・ファンの方、また次回会場でお会いしましょう。これまで参加されたことのない方、よかったらぜひ遊びにきてくださいね。

Yoshioさん、毎月ありがとう。まだ告知はないけれど、来月のFestaも参加予定です。よろしくですぅ。

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コメント

もあさん、いつものことながら、詳細なレポート、お見事ですね。
最後に飲んだ甘いワインおいしかったです。その前に飲んだエスト(×3)も効いたのか、帰り道、自分はちょっと酔っぱらってたみたいです。
私も人見知りなので(ほんと)、少しずつお友達を増やしてるつもりです。
そうだ、YoshioAntonioさんから「夜更かしするとこういう大人になるぞ」と例に挙げられたんだっけ、早く寝なくちゃ〜。

投稿: あんき〜お | 2005/08/22 03:33

あんき~おさん、飲み物中心の感想になってるよ!^_^;

投稿: YoshioAntonio | 2005/08/22 12:25

ドイツワイン、お気に召していただけたようでよかったです。たまにはああいう甘いワインもいいでしょ。なんだったら来月も持ってきましょうか。

Est! Est!! Est!!! はこれまで、あまり美味しいと思ったことがなかったのだけど、あのくらいよっく冷やしてパーティとかで飲むと楽しいワインなのだな。

おいらも飲み物中心の感想になってしまった;p

投稿: もあ | 2005/08/22 12:52

酒飲み会じゃないんだぜ~。それにあの部屋、正式には未だ禁酒部屋なんだから・・・・本当に『悪い大人』になっちゃうゾ!

投稿: YoshioAntonio | 2005/08/22 19:36

もあさん、Antonellaのソロアルバムはあまり持っていなかったのですが、「Big Band」を聴いて、買ってみようと思いました。

投稿: kazuma | 2005/08/22 23:24

あんき~おさんから「夜更かしするとこういう大人になるぞ」と例に挙げられたshunです。こんばんは。

現在の大人度ランキングはこんな感じですかね?

Yoshioさん(超大人)>もあさん(大人)>あんき~おさん(やや大人)>shun(悪い大人)

今回は聴き比べコーナーが印象的でした。
あの時は手を挙げませんでしたが、実は「ANIMA MIA」はオリジナルも割と好きです(^-^;

投稿: shun | 2005/08/23 01:12

>kazumaさん
『Big Band!』、基本的にはジャズ・バンド編成によるカバー集です。「ベサメ・ムーチョ」などのスタンダードやMatia Bazar時代の曲もいくつか入ってます。ちょっとこれまでの彼女のソロとは趣が違いますし、「イタリア!」って感じともちょっと違うように思いますが、でも、なかなかいいアルバムですよ。

>shunさん
自分は夜11時を過ぎるともう、おネムが入ってしまうのです。12時過ぎるとほとんど起きてられない。そして朝も眠く、午後も眠いのです。1日中眠い。大人というより、赤ちゃんに近いかも。いや、犬?

「Anima mia」のオリジナルは、自分も嫌いじゃありません。ただClaudioヴァージョンのほうが好きというだけで。あと、会場で聴いたCuginiヴァージョンは、自分が持っているCuginiヴァージョンと違う(たぶん会場のほうが新しいヴァージョン)のですが、個人的にはうちにある(おそらく古い)ヴァージョンのほうが好きかな。

投稿: もあ | 2005/08/24 08:58

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