LUCIO BATTISTI / UNA DONNA PER AMICO
Lucio Battisti(ルーチォ・バッティスティ)は、おそらく20世紀のイタリアン・ポップ・ミュージック界で最重要なカンタウトーレ(シンガー・ソングライター)のひとり。...なんですが、実は自分、あんまり聴いたことがありません。初期のアルバムを4~5枚持ってるくらい。それほど思い入れもないです。すみません。
それでも『Il mio canto libero』なんかはけっこう好きで、むかしはよく聴いたな。Lucioの声ってどことなく頼りなさそうで、その声がちょっとセンチメンタルなメロディやオーケストラ・アレンジとからむと心にしみるんですよ。
そんなわけで自分にとっては初期のころのいかにもカンタウトーレなイメージが強いLucioなんですが、このアルバムではずいぶんと印象が違います。なんだかとても軽やか。カフェの外のテーブルでお茶を飲む若いカップルなんていうジャケットからして『Il mio canto libero』とはぜんぜん違うんだろうなという予感を抱かせましたが、そのとおりでした。
曲によってはアメリカのサーフィン・ミュージックかよと思わせるようなコーラスが入ったり、ディスコティークなリズム・アレンジがあったりと、あれあれあれぇ~という感じ。他の曲もほどよくスタイリッシュで、英米ポップスのニュアンスを感じます。
なのに、やっぱり歌メロがどこかイタリアンなんですよねぇ。それと、ストリングスのアレンジ。この音づくりやフレーズを聴いて、そういえばあの頃のイタリアン・ポップスってこういったストリングス・アレンジがたくさんあったよなぁと、あらためて思い出しました。
小洒落た都会(でも地方都市って感じ)の軽やかさやスタイリッシュさを感じさせつつ、英米のスッキリ感を含みつつ、でもそのベースにはしっかりとイタリアが息づいている。そんな印象を持ったアルバムでした。う~ん、Lucioは深い。
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コメント
このアルバム、私は大好きです。
音作り・バッキングのスッキリとした英米感との対比で、バッティスティの歌唱・メロディにあるイタリア臭さ(?)が浮かび上がり、何とも言えない味わいを感じます。
このイタリア臭(失礼?)に、どうしようもない郷愁感や孤独感を感じてしまい、ついついCDに手を伸ばしてしまいます。新し目のミュージシャンには、このイタリア臭を感じさせてくれる人が殆どいなく、同じCDばかり聴いてしまいます・・・。
これからもレビュウ楽しみにしています~ではでは。
投稿: 岩橋 信之 | 2005/07/08 02:56
実はこのアルバム、手に入れたのがつい最近なんですよ。中古で安く売ってたので。以前からアーバンポップな感じの作品だといううわさは聞いてたのですが、ほんとに小粋なポップスになっててちょっとびっくり出した。でも、そのベースには「イタリアの音楽」がすごく感じられるのが素敵ですね。こういうタイプの音楽って、聞き込むほどによさが出てくることが多いので、もう少し聴いてみようと思ってます。
岩橋さん、次のフェスタは? と思ったらコンサートなのですね。
投稿: もあ | 2005/07/09 09:47
きょうはポップスをアレンジする?
投稿: BlogPetの「小丸」 | 2005/07/10 12:00