MARIO ROSINI / CERCANDO TE
2004年のサンレモ音楽祭で準優勝したMario Rosini(マリオ・ロシーニ)。そのときの参加曲「Sei la vita mia」を収録したアルバムが2005年にやっとリリースされました。
最近ではだんだん数が少なくなってきた、ロックの匂いがしないアルバムです。「Sei la vita mia」は大きなメロディを持った歌い上げ系バラードでしたが、全体にこの路線が彼の持ち味なのかもしれません。ゆったりしたリズムのバラード系が多く収録されています。
丸みを帯びたクリーンな歌声。あまり高い声ではないところが落ち着きを感じさせます。こういった大きなメロディを歌うには、もう少し声量があったほうがいいかなという気もしますが、充分伸びやかに歌っていて、合格点とはいえるでしょう。いくつかリズミックな曲があり、これらがもうひとつ彼の歌い方にあってない感じはしますが、アルバム全体としては、なかなかロマンティックなバラード中心アルバムになっていると思います。
ただ、美しい流れを持った大きなメロディを歌い上げる、といういかにも「イタリアン・ポップスの王道」といったスタイルとは裏腹に、なぜか彼の歌・曲には、自分は「イタリア」をあまり感じません。イタリアン・ポップスというよりも、1980年代くらいに流行したアメリカのAORの延長上にあるような印象を受けます。たぶん、演奏・アレンジや曲づくりが、イタリアにしては洗練されすぎてるんだろうな。コンテンポラリーなジャズやブルースをそこはかとなく感じさせるアレンジなどに、自分はAORを見出してしまうのかもしれません。その意味で、イタリア入門したい洋楽ポップス・ファンにも聴きやすいかもしれません。
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