SCORPIONS / VIRGIN KILLER
ジャーマン・ハードロック・グループ、Scorpions(スコーピオンズ)の往年の名作アルバムですね。このジャケット・アートはいま見ても、というか、いまだからこそ、余計に危ない感じですが、収録されている曲は非常にシンプルでストレートなハード・ロックなのが好ましいです。
Scorpionsといえばやっぱり、ルドルフ・シェンカーのハード・ドライヴィンなリズム・ギターですね。ルドルフの「生涯いちリズムギター弾き!」といった姿勢は非常にすがすがしい。ひさしぶりにこのCDを聴いたのだけど、かんたんだけどスピード感のあるリズム・ギターが彼らの音楽を支えてるなと改めて感じました。
そして、意外とベース・ギターのアレンジが、気が利いてるのね。これはいままで気がつかなかった。重量感があって、ルートでリズムを刻むだけでないラインどりもしていて。彼らの曲ってすごくシンプルだと思うのだけど、それでも奥行きのようなものを感じるのは、このベースのおかげなのかもしれない。
クラウス・マイネのヴォーカルはドラマティックだな。ロック・シンガーとして充分パワフルなのだけど、彼はきっと、ロックじゃないポピュラー・ミュージックを歌わせても充分以上に「聴かせる」ことができるヴォーカリストだと思う。しかし、英語はずいぶん訛ってるのね。
シンプルでストレートだけど、短いなかにドラマティックな雰囲気を漂わせているあたりは、やはりヨーロッパのグループですね。ブリティッシュ・ロックともアメリカン・ロックとも少し違った、独特の雰囲気がある。これがScorpionsの魅力なのでしょう。
M4「Backstage Queen」などは思いっきりアメリカンな雰囲気で、Aerosmith(エアロスミス)などがやってもかっこよさそう。かと思うとウルリッヒ・ロート作のM5「Virgin Killer」は典型的なブリティッシュ・ロックの雰囲気があって、Dio(ディオ)とかRainbow(レインボー)といったDeep Purple(ディープ・パープル)からの分派グループなどがやっていそうな曲。いずれにしても、あまり迷いのない感じのハード・ドライヴィン・ロックになっていて、単純に「ノレる」のがいいですわ。そしてエンディングはヨーロッパのアイデンティティたっぷりの哀愁に満ちたM9「Yellow Raven」というあたりも、なんだかわかりやすくていいです。
うん、ハードロックもいいな。
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