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2005/05/31

夜中に民法地上波で放送されたのを観ました。古いイタリア映画。監督はフェデリコ・フェリーニだったかな。

最近、古いイタリアのモノクロ映画をテレビで観る機会が何度かあったのだけど、なんていうか、古いイタリア映画ってつらい内容のものが多いですね。『道』にしても『自転車泥棒』にしても『甘い生活』にしても、なんか救いがないというか、希望がないというか。

この『崖』も、救いも希望も未来もない、つらい映画だった。

『道』では、ジェルソミーナはかわいそうでしたが、そしてザンパノはすべてが手遅れでしたが、でも「手遅れだった」ということにザンパノが気づく、という救いがありました。気づいたことで、このあとのザンパノの行き方は変わっていくかもしれない。それがよい方向か悪い方向かはわからないけれど、少なくともこの先の未来があった。

『自転車泥棒』のお父さんは、さらに生活は困窮していくだろうけれど、お父さんを大事に思っている息子がそばにいることを知っています。大切な息子に「自転車泥棒」という恥ずかしい行為を見せてしまったこと、息子のおかげで逮捕されずにすんだことなどから、お父さんはきっとこの先、またまじめに、一生懸命に働くでしょう。状況はよくはならないかもしれないけれど、未来を感じさせます。

でも、『崖』のアウグストには、未来すらない。

頭が弱いがうえにザンパノに売られてしまったジェルソミーナや、根は悪くないのだけど無骨で不器用ゆえにジェルソミーナを死なせてしまったザンパノ、あるいは生活のために全財産をはたいて手に入れた自転車を盗まれてしまったがために他人の自転車を盗むことでしかリカバーできないと悪の心が一瞬生まれてしまったお父さんとは、根本的に違います。たしかに「詐欺師」としてしか生きられなかったのかもしれないけれど、アウグストがそうならざるをえない理由や背景が見えてこない。けっきょく最後も貧しい農家から金を騙し取り、さらに仲間を欺いて独り占めしようとし、けっきょく仲間に殺されてしまって終わり。最後の儲けを独り占めしようとしたのは娘が学校へ行くための資金にしたかったのだとしても、あまりに自分勝手で、彼には最後まで「反省」がない。その結果、崖でひとりで死んでいくしかなく、アウグストの未来はここで潰え、娘のためのお金も用意できず、もしかしたらその金が用意できなかったために娘の未来もしぼんでしまったかもしれない。しかも父親が「詐欺師」ですからね。

土曜の午後にビデオで観たのだけど、せっかくの週末がすっかりどよ~んとしたものになってしまいました。恐るべし、イタリア映画。

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