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2005/02/17

お気に入りのランチがなくなるのです(涙)

自分は音楽もワインも料理もイタリアンが好きなんですが、フランス料理も好きだったりするのです。フランスワインは... 安いボルドー(というか、カベルネ・ソーヴィニヨン)はちょっと苦手ですが、ブルゴーニュはやはり素晴らしい味わいだし(ピノ・ノワール好き)、ローヌ葡萄(とくにグルナッシュ)も好きだったりするのです。

コンビニやスーパーの弁当は脂っこいし味はくどいし、だからといってあまりお米を食べたくないので定食屋の和食にもあまり興味がない自分は、ふだんのお昼はコンビニやベーカリーのサンドイッチを申し訳程度につまむ程度だったりする(まずいものをいっぱい食べるよりは、多少ひもじくても死なない程度に最低限食べるほうがいい)のですが、週に1度は「きちんと調理されたちゃんとした料理を食べたい」と、フレンチやイタリアンのお店にランチを食べに出かけます。

でも、昼休みの1時間で、きちんとした「メインディッシュ」を出してくれるお店が意外と少ない神楽坂。イタリアンのお店はいっぱいあるけど、昼はパスタだけだったり、メインも食べようと思うと1時間では対応してくれなかったり。フレンチのお店も、メインを食べようと思うと1時間では間に合わなかったり。

会社からそれほど遠くなく、ちゃんと1時間で食べ終えられて、かつ「おいしい料理」を出してくれるお店は、じつは少ないのです。そんななかで見つけたイタリアンの「リストランテ・ステファノ」とフレンチの「ビストロ・イデアル」は、週に1度のお楽しみ的な、自分にとって大切なお店だったのです。

ところが。

イデアルが業態変更をすることになってしまいました。これまでの「フレンチ」だけでなく、フレンチベースのもっとカジュアルなお店になるそうです。そして、これまでのランチはアントレとメインとデザートというフレンチのお手軽コースを提供していたのですが、来週からはランチはパスタになるそうです。

かなしい。

月に2回はランチを食べに行っていた常連ですから、ホールのスタッフ、メートル・ドテルのOさんや、ギャルソン(女性の場合はギャルソニエールっていうのか?)のSさんとはすっかり顔なじみ。そのおふたりが、本当に申し訳ないと頭をさげてくれました。現場の人たちは、お客さんがいかにこのお店のランチを愛していたかを知っていますからね。でも、お店のオーナーさんの経営方針が変わり、もっとカジュアルで利用しやすいお店にしろということになったため、しかたがないのです。

イデアルは、本当にいいお店です。アントレにメインといういちばん安いランチのコースは1600円とお手ごろ価格(小さなデザートとコーヒーがつきます)。安いですが、アントレもメインもとても丁寧に調理されているし、食材も新鮮。たとえばこれまで自分で苦手だと思っていた食材や料理も、ここで食べるとぜんぜん平気だったりしますし、美味しいとすら感じてしまうことが多々。これまで食べたことのない料理に挑戦するときでも、ここでなら安心。もしここで食べても自分に合わなかったとしたら、おそらくどこで食べても会わないだろうと思えるくらい、ここの料理は信頼できました。

そして、ランチでも、この価格でも、きちんとしたテーブルサービスが提供される。自分は常連なので、すっかり顔も名前も覚えられていて、キッチンへの注文通しも「○番テーブル(お店ではフランス語でいわれてますが)、もあ様」と名前つきでオーダーされてます。シェフもメートルも、自分のお昼休みが1時間しかないことをわかっていますから、こちらで何もいわなくても、1時間できちんと最後まで食べ終えられるよう、こちらの食べ進み具合と時間のバランスを計って料理を提供してくれるんです。そのくらいの常連ではあるのだけど、日本の勘違いした中レベルのレストランによくあるような、過度なフレンドリーさは持たない。常連としてフレンドリーに接してくれるけれど、ときにワインやコーヒーの特別サービスをしてくれたりはするけれど、だけどお店とお客の間の距離感はきちんと保つという、非常にバランス感覚にあふれたサービスをしてくれるんです。

いつだって、このお店に食べに行けば、納得できる味わいの、ちゃんとしたフランス料理が楽しめて、気持ちのいいサービスが受けられる。安心して食べにいける。そういうお店なんです。

だけど、来週からは、ランチはパスタオンリー。夜はフレンチ・メインでの営業を続けるそうですが、営業時間を後ろに延ばして、夜間の入店を増やすという方針になったため、シェフも基本的にディナーでの仕事がメインになるそうです。メートルのOさんも、夜のシフトが中心になりそう。

たしかにランチ・コースだと、回転率が悪いです。自分も1時間かけてランチを食べて、ひとりでひとつのテーブルを占領しているわけですから。それでも自分は毎回ワインも一緒に頼むので、自分の客単価は2500円くらいにはなるのですが、ワインを頼まなければ1600円。小さなお店でテーブル数も少ないので、これではきついのかもしれません。また、ランチで1600円というのも微妙な値段付けかもしれません。もっと高くするか、安くして回転率を増やすか。でも、回転率を増やすには、コース・メニューは不都合です。なので、パスタなんでしょう。たとえばランチを1000円にしても、パスタなら滞在時間は30分から40分程度なはず。1600円で1時間超いられるよりも売上アップになる可能性が高いのです。

そういったお店の事情もわかるのだけど、やはり残念感はぬぐえません。お昼に食べに出かけられる範囲のフレンチのお店、1時間の昼休みでメインも食べられるフレンチのお店は、自分の知るかぎりあと2店ほどあるのですが、1店は料金がイデアルより高く、だけど料理の味はイデアルより下。もう1店はランチ1000円と安いのだけど、会社から遠く、料理の味も値段相応。どちらのお店も、グラスワインのクオリティがいかにも「安いハウスワイン」なのが哀しいし(イデアルは、もともとはワインバーの姉妹店としてオープンしたので、グラスでも美味しいワインを出すのです)、何よりも、この両店ともに魚が安心して頼めないのです。料理単品としてはそこそこ美味しくても、ワインと合わせると魚臭くなってしまうことが多々。こういうお店では、苦手な料理や新しい料理に挑戦できませんし、料理に信頼感・安心感も持てません。

あぁ、残念。今後、自分がフレンチを食べる機会は大幅に減るでしょう。もちろん、イデアルのランチがパスタになっても、ときどきは食べに行くつもりです。これまでの恩?がありますし、ますます接客スタイルがメートルのOさんに似てきたギャルソニエのSさんが中心になって、これからもきっと気持ちのいいテーブルサービスをしてくれるはずですから。でも、パスタを食べるんだったら、やっぱりステファノに行ってしまうかも。

昼にパスタを食べさせる(というか、1時間の昼休みではそれ以外に食べられない)イタリアンのお店はいっぱいあります。どこもそれなりに美味しいですが、味的にはステファノがダントツです。イデアルには、ホールのサービス・レベルが高いというアドバンテージはあるけれど、とはいえ提供される料理はやはりパスタなのです。サービスの価値にあまり重きを置かない傾向にある日本のお客、しかもランチのお客に、それがどこまでアピールできるか。せめてセコンドも提供してもらえればなぁと思うのだけど...

ちなみに、自分がこれまでに食べにいった会社周辺のイタリアンやフレンチのお店のなかで、いつ食べても確実に魚が美味しい、ワインと合わせても魚臭くなるようなことが一切なかったお店は、イデアルとステファノだけです。てなことをメートルのOさんに話したら、なんとイデアルとステファノは同じ魚屋さんを使っているのだとか。なるほどね。いい魚を仕入れる魚屋さんなんだな。素晴らしい。

美味しい魚と美味しい野菜を仕入れて、それをきちんと丁寧に美味しい料理にできるお店は、間違いなくいいお店だと思います。あぁ、そんな美味しいフレンチを手軽に楽しめたのがイデアルだったのにぃ。本当に、本当に、残念です。

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