EMMA SHAPPLIN / THE CONCERT IN CAESAREA
以前にPensiero! websiteに書いたレビューを読み返したら、けっこう否定的なこともいっぱいあったのですが、それでも実はEmma Shapplin(エマ・シャップラン)のファースト・アルバム『Carmine meo』はけっこう好きで、よく聴いてたりしたのです。
1997年に『Carmine meo』がリリースされたときは「Andrea Bocelli(アンドレア・ボチェッリ)の女性版」ということで母国フランスでずいぶん話題になったらしいEmma。日本ではテレビ東京系の番組「美の巨人たち」のエンディング・テーマとして「Spente le stelle (星に想いを)」が使われ話題になり、2000年に日本盤CDもリリースされました。なぜかそのアルバムではEmma名義ではなく、Carmine Meo Projectとかいう名義で出たようですが。
その後、彼女の名前を聞くことはあまりなかったのですが、2002年には『Etterna』というセカンド・アルバムをリリース(これも日本盤があるらしい)していたようですし、映画『フィフス・エレメント』のディーヴァの歌や、映画『レッド・プラネット』の挿入歌などもEmmaなんだそうです。あと、シングルを2枚くらいリリースしてるのかな。
というわけで、巨大なCarmine Meo Projectで使い捨てにされることなく、その後もきちんと活動を続けていたらしいEmmaが1999年にパレスチナのカエサリアという町にある2000年以上も昔に建造されたという劇場で行ったライヴの録音が、2003年ころにリリースされてたのを見つけました。このライヴはたった3日間、あとにも先にもこのときだけの「Carmine Meo Live」だったようで、フル・オーケストラに合唱団つきという大人数によるものになっています。もちろんアレンジとキーボードにはスタジオ盤と同様、元Mandalaband(マンダラバンド)→元Sad Cafe'(サッド・カフェ)のVic Emerson(ヴィック・エマーソン)も参加。ライヴだからといって音が薄くなることなく、ドラマティックなステージが展開していきます。
ソプラノ・シンガーとしては歌唱力にちょっと難のあるEmmaですが、ロック/ポップスを歌う分には充分に強力。ただ、スタジオ録音よりも声の伸びが足りないかな。また、こういったオーケストラ&合唱入りドラマティック・ポップスでは、ライヴゆえのドライヴ感や迫力といったものが「粗さ」といった悪い方向に出ちゃうことが多いように思うのですが、このライヴ盤にもそういう面があるかも。
しかし、もっとも不満なのは、せっかくの大所帯ライヴなのに、収録時間が短い! どうせだったらアルバム『Carmine meo』全曲を古代劇場で再現くらいしてほしかった。実際のコンサートでは再現されてたのかもしれませんが、であればそれを全曲収録してほしかった。
などということもあるにはあるのですが、そして今回もやっぱり否定的なことを多く書いているような気がするのですが、しかしけっこう気に入っちゃってるんです、このアルバム。というか、Emma。それこそがフランスの歌姫Emma Shapplinの魔力なのか!?
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コメント
はじめまして。暗黒系音楽に目の無い壮年メタラーです。本邦に於けるエマの情報って少ない(って収集下手なのかも)のでこのアーティクルを見つけて喜んでます。このライブ盤、小生も独逸Amazonで発見してワンクリックで注文しました。DVDもリリースされてますが入手されましたでしょうか。本来CDは8曲で#9Dolce veneno,#10Fera ventura,#11Discovering yourself は欧州盤のボートラのようですが勘違いでしょうか。では、お邪魔しました。
投稿: のじー | 2005/03/27 10:51
Emmaは、日本ではテレビで使われた「Spente le stelle」しか一般の人は知らないでしょうね。ただ、この曲は評判がよく、この曲を求めて番組のサントラを買った人も少なくなかったようです。残念なのは『Carmine meo』が日本ではEmmaの名義でリリースされなかったこと。このためにEmmaの名前が日本で認知される機会が減ったように思います。Andrea BocelliやFilippa Giordanoが日本でけっこう人気があることを考えると、EmmaもちゃんとEmmaの名前であの当時に宣伝・告知をもっとしていたら、もっと多くの日本人ファンができただろうに。
M9以降はボーナストラックですか。たしかに本編のライヴとは違いますものね。ブックレットにはとくにボーナストラックとかの表記はないですが、これらの曲は自分には余分に感じられるし、それよりもライブの収録をもっとしてくれという感じなので、余計なボーナスだったという印象です(笑)。でも「Discovering yourself」はKate Bushみたいでちょっと気に入ってたりはするんですが。
投稿: もあ | 2005/03/30 08:52
どもです。失礼ですが、もあさんって、ひょっとして某ニフティでご活躍されていた、あのもあさんでしょうか。隔離室でイタリアンな話題を提供されてませんでしたか?
お人違いならお許しください。
で、そうですよねボートラより本編を収録して欲しいです。DVDもゲットしようと思っています。ではまた。
投稿: のじー | 2005/03/30 12:30
あら、のじーさんも隔離室の住人さんだったのですか。元住人さんたち、いまもあちこちでご活躍のようで、ばばんこさんの掲示板とかでも懐かしいお名前を見つけることがありますし、最近はmixi内に多くの元住人さんたちが生息しているらしいとも聞いております。ちなみに自分もmixiとGREEに登録しているのですが、使い方がよくわからん(笑)。
投稿: もあ | 2005/03/30 16:51
mixiに足跡残してきました。これを機会にあちらでもよろしくお願いします。
投稿: のじー | 2005/03/31 22:43