イタリア・フェスティバル行ってきました
東京ドームで行なわれている「イタリア・フェスティバル」、1月15日(土)に行ってきました。お目当てはもちろん、今回初来日となる“現役”(ここ大切!)カンタウトーレ、Gatto Panceri(ガット・パンチェーリ)のライヴ&フラッグ・ショーです。なので午後2時過ぎにのんびりと出かけてきました。
んが! やはり土曜日ともなると、朝から雨模様なのに、午後には雪になると予想されているのに、めちゃめちゃ寒いのに、それでもたくさんの来場者がいらっしゃいました。自分は人がたくさん集まって自由に歩くのがままならない催物会場などがとても苦手なもので、入場した時点でちょっと後悔(笑)。もっと遅く、Gattoのコンサートだけに時間を合わせて来ればよかったかも。
コンサートは午後5時からなので、開始まであと3時間弱あります。席を確保するために30分前に着席したとしても、2時間はなんとかして時間をつぶさなくてはなりません。しかし、どこのブースも人だらけ。なんとかいうレストランはすでに今日の分の入店整理券全部配布済みだそうで、あとは自分の番号が呼ばれるのをひたすら待つだけになってるらしい。食事をする時間を自分で選べないなんて、そんなのやだな。もとから会場内で食事をする気はないのでかまいませんが。その他のバールやテイクアウェイの飲食店ものきなみ1時間待ち。ご苦労様です。
飲食以外の各ブースもけっこうな人ごみで、とくに試飲・試食があるところは飲食店なみの行列。いったい何を配っているかと見れば、ふつうにヴェルディッキオとペコリーノだったり、バゲットにオリーブのペーストを載せたものだったり、オリーブオイルとバルサミコをパンにつけてるだけだったり。ワイン数種類の試飲というのもあったけど、正直にいって、あんなちっちゃなプラスチックカップではそのワインの持つ本来の味わいなど感じられるはずもなく、1時間近く並んでまでも飲みたいとは思えないのでした。
一方で、自動車や自転車の展示といった、女性陣・おばちゃん陣にはあまり興味がないと思われるブースは比較的すいてました。いやぁ、美しかったですよ、フェラーリF2002(だったっけ?)。F1のチャンピオン・マシンですからねぇ。流れるようなライン、燃えるフェラーリ・レッド。ここにミハエルが、ルーベンスが、もしかしたらルカ・バドエルが?乗り、テストをし、場合によっては実戦にも使われたかもしれない。やっぱりF1マシンは美しい。
ほかにもアルファ・ロメオやパンダ、チンクェチェントなども展示されていて、イタリア車の美しさ、可愛らしさを堪能できました。こういった「本物のイタリア車」とくらべると、ニッサン・ムラーノとかはやっぱりパッチもんですね。あのフォルムのどこが「ヴェネツィアのムラーノ・グラスを意識」なんだか。
そのほかの展示物は、物販を含めてあまり興味がわかず。ワインはどれも高めだし、オリーブやプロシュートなどはインターネットで買えるものが大半。これは!と興味を持って手に取ったアマレットなどは展示のみの非売品だったり。ヴェネツィアン・グラスにしてもカメオにしても、どうせ買うんだったら現地に行って買おうって思っちゃいました。唯一楽しかったのは、やはり職人さんによる実演ですかね。絵画修復なんかはとても興味深い。ヴァイオリン職人はずっとバック・ボディの木を削ってるだけでしたが、それもまた楽し。靴づくりもなかなか見てておもしろいです。
そうこうしているうちに4時を過ぎ、少し早いけどちょっと疲れたこともあってステージ前の客席へ。会場内でもらった料理のレシピを見たり、持っていった本を読んだり、うとうとしたりしながら待ってると、そのうちにピッツァ・アクロバットがスタート。こういったショーはテレビで見たことはあるけど、生ははじめて。いやぁ、ほんとによく回しますね。生地がどんどん伸びますね。なかなか楽しいですね。しかし、こういったショーを見てていつも思うんですが、この技術って、美味しいピッツァづくりに関係があるんでしょうか。
ピッツァ・アクロバットのあと、ついについに今日のメイン、Gatto Panceriのコンサートです。初来日だというのに小さなステージで、バンドも置けず、ほとんどがカラオケ演奏をバックにという、いちイタリアン・ポップス・ファンとしてもなんだか申し訳ないようなこじんまりした舞台でしたが、それでもGattoはいいコンサートを行なってくれたと思います。
なにしろ、いまも現役ばりばりで活動中の人ですからね。ふだんからきちんと歌っている声、Gattoのことを知らない観衆がおそらく半数以上を占めるなかでも投げやりになることなくきちんと会場をケアするステージング。さすがです。そしてなにより、彼の曲って実はメロディがとってもポップでキャッチーだったんですね。自分は古いアルバムを2枚持っているだけで、今回のステージで歌われた曲は知らないものが多かったのですが、サビの部分などはほとんどその場で覚えてなんとなく一緒に口ずさめるものばかり。メロディもそうだけど、歌詞も比較的簡単な言葉をサビに置いてあるので、うしろの席に座っていたあきらかに「イタリアン・ポップスって何?」といったスーパーからの買い物帰りのようなおばさまですら最後は少し口ずさんでました(変な音程で。笑)。
また、数は多くないながらも、関西方面から応援に駆けつけたらしいペンライト女性集団は声を揃えて「ガットォ~」と声をかけ、単発ながらもところどころで「ブラヴォ~」(できれば「ブラァ~ヴォ」のほうがイタリア語っぽく聞こえるんですけどね)の声があがり、最前列では「GATTO 6 GRANDE」(「Gatto sei grande」、ガット最高!って意味ですね)横断幕をつくって応援する熱心なファンもいてと、こじんまりした分アットホームなよさっていうのもあったように思います。Gattoも初来日を楽しんでもらえたならいいんですけどね。
しかし、あの曲名紹介をするMC?のお姉さんは、もう少しなんとかならんのか。耳に痛いキンキン声は仕事柄しかたがないにしても、「Dove dove」を「どべどべ」と思いっきり日本語(しかも絶対ひらがなに違いない!)でいうし、Andrea Bocelli(アンドレア・ボチェッリ)のことを「ぼっちぇり」っていうし(日本人にありがちな間違え方だ)。などということもありましたが、次回はぜひ、バンドを引き連れてのフル・ステージを見てみたいものです。
Gattoのコンサートのあとは、妙に笑顔のかわいいヴィオリノ&フィザルモニカのじいちゃん二人組「デュオ・イタリー」+ゲスト?シンガー「フランチェスコ」によるカンツォーネ・ショー。はい、いかにもイタリア。ひなびた哀愁のある「デュオ・イタリー」の演奏は古いイタリア映画を見ているようです(といっても、実際に古い映画を見たことはあんまりないので、あくまでも印象ですけど)。
そして午後7時10分。今回のふたつめの目的であったフラッグ・ショーの始まりです。これまた楽しかった。会場となったスペースが狭いため、ところどころやりにくそうな感じはあったけど、2回ほどミスもあったけど(笑)、美しくも迫力のあるショーを見せてくれました。しかも、たまたま自分が立っているすぐ前に小さな子供二人組(幼稚園から小学生くらいの姉妹?)がいて、この子たちがえらくショーに興奮し、手をたたいたり笑い声を上げたりするもので、旗振り隊の人たちの多くがこの子たちに視線を投げかけ、ほんの少しこの子たち寄りに演技をしたりしてくれたものですから、なんだかふつう以上に楽しかったように思います。髪の毛やわらかウェーブのスター?な兄ちゃんもたくさん微笑みかけ、しかし決めるときには引き締まった表情を見せと、メリハリのある演技をしていました。しかし、兄ちゃんからおっさんまで、股間もっこりのぴったりタイツは、なんだか見ていて恥ずかしい。
Gattoのコンサートにフラッグ・ショー。このふたつだけでも雨の降る寒いなか出掛けてきて入場料1500円払っても充分以上に価値のある、素敵な1日でしたわ。
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コメント
ワタクシの雄叫びに応えるようにトラバしてくださってありがとうございます。
これを読んで自分まで行ってきたような気分になりました。
やはりGatto Panceri のコンサートが一番良かったようですね。今度は正式に来日公演を開いてもらいたいです。
投稿: marikzio | 2005/01/17 19:40
ワタクシにもトラックバック、有り難うございました。
さすがもあさん、特派員並みの会場レポートに脱帽です。
Gattoも喋りたいことがあるだろうから、通訳一人くらい付けてあげればいいのに。そしたら会場とのやりとりももっと出来ただろうに、と思いました。
投稿: あんき〜お | 2005/01/17 22:39