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2004年9月12日 - 2004年9月18日

2004/09/17

TARANTULA / TARANTULA

スペインのプログレッシヴ・ロック・グループです。スペインのプログレッシヴと聞くと、おもいっきりフラメンコ・ギターが入った熱くて哀愁たっぷりのロックを想像するかもしれません。実際、スパニッシュ・プログレッシヴのトップ・グループのひとつであるTriana(トリアナ)とかは、まさにフラメンコ・ロックで、おそらく多くの日本人が思い浮かべるであろう「スペイン=フラメンコ」&「ロック」の組み合わせそのものです。でもじつは、フラメンコ・テイストたっぷりなスパニッシュ・ロックって、あまり多くないというか、自分はTriana以外に知りません。

Tarantula(タランチュラ)もやっぱりフラメンコ・テイストはありません。でも、とてもとてもスパニッシュな雰囲気を感じさせてくれます。それは、ヴォーカルによるところが大きいのだろうな。あまり大きなビブラートをかけず、圧倒的な声量で、美しくも哀愁のあるメロディを力強く歌います。同じ「喉を開いて歌う」のでも、同じく歌のなかに「強い日差し」を感じても、どこか突き抜けた明るさとおおらかさがあるイタリアとはちょっと違い、スペインの歌には「哀しみ」がついてまわるような気がするのは自分だけでしょうか。

そんなヴォーカルの魅力が存分に発揮されたM1はインパクト強いです。フォーク風にやさしげに歌っていたとおもったら、さびでは一気にオペラチックな歌い方へと変わり、サビの後半ではファルセット・シャウト。もう、これだけで「やられた」って感じです。そしてバックではリリカルなフルート、クラシカルなオルガンやストリングスが強力にサポート。一気にアルバムの世界に引き込まれます。

この曲に代表されるように、Tarantulaの特徴は奥行のあるキーボード群と個性的なヴォーカルにあるといえるでしょう。演奏の土台を固めるリズム隊も力強く、哀愁一辺倒にならない、きちんと「ロック」を感じさせてくれるシンフォニック・プログレッシヴになっています。ちなみにギターも入ってるんですが、これはあまり印象に残りません。

キーボードの音色自体はあまり熱くなく、どちらかというと薄っぺらな感じではあるのですが、クラシカルでときに教会音楽をも思わせるようなフレージングやアルペジオ、要所を押さえたオーケストレーションなど、センスのよさを感じます。このキーボード群のアンサンブルを中心に、緩急のはっきりしたドラマティックでちょっとハードなシンフォニック・ロックが展開されます。個人的にヴォーカルの個性が強いプログレッシヴ・ロックが好きということもありますが、スパニッシュ・プログレッシヴとしてなかなかの名盤だと思います。

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2004/09/16

くえすと・え・らんごろ・でぃ・ぴんぱ

今週発売の「Tokyo Walker」で、ひさしぶりに見ました。サーラ・アリエンティ。

まぁ~、大きくなっちゃって(おまえは親戚のおばちゃんか!?)。

サーラがNHKの「イタリア語会話」に出ていたのは、いつのことだ? もう4年くらい前かな。イタリア産の動物アニメ「ピンパ」のコーナーを担当してた。

このアニメ、主人公のピンパがめちゃかわいくない。赤い色のぶちのある犬の女の子って設定なんだけど、おっさんみたいながらがら声で、最初はずっとオス犬だと思ってた。赤いぶちも、ぶちってよりは「おまえ、なんか悪い病気?」って感じで気持ち悪いし。

そんなコーナーで、とてもイタリア人と日本人のミックスとは思えないめちゃめちゃ「ひらがな」なイタリア語で「ちゃお・あ・とぅってぃ・こめすたぁ~て?」といっていたサーラ。まだ子供だったのになぁ。すっかりきれいなお姉さんになっちゃって。

Tokyo Walerでは「ミスコンに出るふつうの大学生」として紹介されてたんだけど、もうモデルの仕事とかやめちゃったんだろうか?

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2004/09/15

MAURIZIO MONTI / L'AMORE

この人のこと、ぜんぜん知らないのですが、BMGのGli indimenticabiliシリーズの再発はハズレがほとんどないし、プログレッシヴ・ロックのファンにもおすすめといったコメントをどこかで見たので購入しました。

はい。今回も正解でしたよ。Amedeo Minghi(アメデオ・ミンギ)の古いアルバムとかPaolo Frescula(パオロ・フレスクラ)とかが楽しめるプログレッシヴ・ファンなら、Maurizio Monti(マウリツィオ・モンティ)のこのアルバムも、きっと楽しめるでしょう。

Maurizioという名前のとおり、この人は男性なんですが、声はちょっと高くて、なんだか女性ぽいです。そのうえ、少し割れてる。Loredana Berte'(ロレダーナ・ベルテ)とかGianna Nannini(ジァンナ・ナンニーニ)とかがおだやかに歌っているときの声に近いような気がします。個性的な声質・歌い方で、あまり力を込めて歌い上げたりということはないのですが、感情が豊かに伝わってくる感じです。べたべたと甘くなったり、なんだか暗くなったりすることのない、やわらかな哀愁を漂わせています。

また、このアルバムではキーボードがいいですね。少しざらざらした音色で、大げさにならず、かといってスカスカにもチープにもならず、上手に曲を盛り上げています。曲自体はフォーク・タッチで地味な感じのものが多いのですが、ほどよくドラマティック&シンフォニックなキーボード・オーケストレーションによって、味わいと広がりのあるものに仕上げられています。

曲によってはLa bottega dell'arte(ボッテガ・デッラルテ)やCollage(コッラージェ)などのようなコーラス系ラブソング・グループが演奏しそうなものもあります。頼りなげに「amore ~」と歌う曲などは、思いっきりイタリアン・ラブソングど真ん中。このあたりもイタリアン・プログレ者の心をくすぐります。

全体的にはフォーク・ベースの地味なアルバムですが、どことなくふわふわとした感じがあり、そこはかとなくサイケデリック、ほどよくシンフォニック。生粋のプログレッシヴ・ロック・ファンやイタリアン・ロック初心者にはすすめませんが、プログレッシヴ・カンタウトーレ系の作品が好きな人ならきっと楽しめる作品だと思います。

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2004/09/14

METAMORFOSI / PARADISO

1970年代に2枚のアルバムをリリースしたMetamorfosi(メタモルフォシ)の、およそ30年ぶりになるサード・アルバム。奇跡の復活、奇跡のリリース!? 前作『Inferno(地獄)』はダンテの『神曲』の地獄編をテーマにしたコンセプト・アルバムだったそうで、今回の『Paradiso(天国)』はやはり『神曲』から天国編をテーマにしたコンセプト・アルバムだそうです。30年のときを経て、アルバム・コンセプトが引き継がれています。

Metamorfosiの『Inferno』、けっこう好きで、むかしはよく聴きました。どこかBanco del Mutuo Soccorso(バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソ)を思わせるような、よく通るオペラチックなヴォーカルや、ドラマティックかつ邪悪な雰囲気を撒き散らすキーボード群、1970年代イタリア独特のばたばたとしたリズム。そして、それら全体をうす~く包み込んでいたくすんだ感じ。いかにもイタリアン・プログレッシヴという感じでした。

21世紀のMetamorfosiにも、こういった感じは引き継がれています。引き継がれていますが、もうひとつ強く心に入ってこないのは、自分が年をとって変わってしまったからでしょうか。それとも、変わることを拒んでいるから?

ピアノの音に艶と奥行が感じられません。奏でるメロディやフレーズはイタリアンなのに、音色がかさかさ。現代的なすっきりした音色のキーボード群も、聞きやすく耳あたりがいいのだけど、Metamorfosiの持っていた熱い情念のような部分が薄まった気がします。そして、はっきりすっきりしたキーボード群が全体を支配していることで、ヴォーカルがキーボードのなかに埋没し、相対的な力関係が弱まっているように感じてしまいます。ヴォーカルに特徴と魅力があるグループだと自分は思っているのですが、その点で残念です。

前作はコンセプトが地獄で、今回はコンセプトが天国なので、前作のような邪悪さ加減があまり感じられないのは、当然といえば当然なのかもしれません。ただ、自分にとってのMetamorfosiはやっぱり『Inferno』で、くすんだ薄もやの向こうに邪悪で怪しいうごめきがあり、そのなかに聖性と邪性のどちらにも転びそうな美しい声のヴォーカルという印象なんです。

その点からすると今作は、あまりにすっきりはっきり。演奏テクニックなどに衰えは感じないし、曲もドラマティックによくできているけど、『Inferno』が持っていた魂の迫力とそれに支えられた力強さといったものがあまり感じられません。よい楽曲と上手な演奏なんだけど、その先にあるもの、あるいはそのもとにあるものが、ちょっと弱いかなぁ。

多くのプログレッシヴ・ファンのみなさん、Metamorfosiファンのみなさんのあいだではとても評価が高い作品なので、自分ももっと聴きこむ必要があるとは感じているのですが、どうしても聴きこみたいという欲求を抱かせるまでにはいかない。そんな感じです。

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2004/09/13

最近観た映画

『死国』
夜中のテレビでやってたので。テレビで観るのは2回目。
感想:
生き返った娘って『Kill Bill』(観てない)のゴーゴー夕張だったんだ。
主演してたの、夏川結衣さんだったんだ。前に観たときは気づかなかった(そのころは夏川結衣さんを知らなかった)。
若いころの夏川結衣さんって、韓国の女優みたいだ。きれい。角度によっては田中美佐子さんの若いころにも似てるな。きれい。
映画を観る前に先に原作を読んだときもつまらなかったけど、前回テレビでこの映画を観たときもつまらなかったけど、今回もやっぱりつまらなかった。このテーマで、このシチュエーションだったら、もっとなんとかできそうなものなんだけどなぁ。

『クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち』
早稲田松竹のラスト1本800円でやっていたので。観るのははじめて。
感想:
古い修道院。キリスト像から流れ出る血。12使途と同じ名前を持った猟奇殺人の犠牲者たち。薄暗く湿った映像。なんて自分好みなお膳立て。このまま古い宗教観や教会が隠し(守り)続けてきた秘密などをベースにゴシックなサスペンスになってくれればおもしろかったかもしれないのになぁ。
途中から「埋蔵金を探せ」映画になっちゃった。『キング・ソロモンの秘宝』系? 最後は思いっきり『インディ・ジョーンズ』。まいっちゃったな。アークが財宝に変わっただけじゃん。
『クリムゾン・リバー』1作目(テレビで観た)もベースの部分のストーリー(猟奇殺人の動機)があまりに薄っぺらくてまいっちゃったな系の映画だったけど、続編もやっぱりおんなじ。ゴシックなお膳立てがなんの役にもたっていなかった。

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M.EFEKT / NOVA SYNTEZA 2

すごいです。ボコボコしたベースとドラムの迫力。ドラマティックな構成。哀愁のあるヴォーカル。力強いブラス。非常に重厚なヘヴィ・シンフォニック・ロックが堪能できます。

言論や思想に対する統制が強く残っていた1970年代の東欧・チェコで活動し、多くのアルバムをリリースしたModry Efekt(モードリー・エフェクト)のデビューは1960年代終わりころ。旧共産圏ではロックを「西側的退廃の象徴」とみなしていたようですが、チェコも例外ではなく、このアルバムにも「ロック」ではなく「ジャズ・オーケストラ」という文字が見えます。

しかし聞こえてくるのは間違いなくロック。ブラスの導入費率が高いのでジャズ風に聞こえるところもありますが、ブラスとバンドによる密度と緊張感の高いアンサンブルはOsanna(オザンナ)やKing Crimson(キング・クリムゾン)に通じるところもあるでしょう。

このアルバムを代表する曲はやはり、20分を超す大曲で、アルバム・タイトル曲にもなっている「Nova Synteza 2」でしょう。初期のころのOmega(オメガ)などにも通じるような、東欧の叙情・哀愁をたたえたハード・ロック的要素を力強いリズム・セクションとブラスが引っ張り、非常にパワフルで重く、スリリングな演奏が楽しめます。緩急をつけたドラマティックな構成も見事ですし、男声コーラスによる印象的なフレーズも耳に残ります。

共産政治によるさまざまな規制のなかで、しかも1974というはやい時期に、これだけのパワーとクオリティを持ったアルバムをリリースしたグループに脱帽するしかありません。プログレッシヴ・ロックのファンで、というよりもユーロ・ロックのファンで本当によかったと思えるアルバムです。素晴らしい。

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