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2004年7月25日 - 2004年7月31日

2004/07/30

MIA MARTINI / CHE VUOI CHE SIA... SE T'HO ASPETTATO TANTO

Mia Martini(ミア・マルティーニ)の声って、伸びやかで、優しくて、女性的な美しさにあふれているのだけど、多くの女性シンガーにある、こびたところや甘ったるいところ、あるいは耳障りな甲高さとかがなくて、その点が自分にとってはとても好ましいです。

1976年のアルバムなので、Miaもまだ若かったことと思いますが、この落ち着きはなんなのでしょう。もともと声自体も落ち着いた感じではありますが、Miaの声質と伸びやかな歌い方を上手に活かせるような曲で構成されていることが、このアルバムを名盤にしている理由のひとつでしょうね。

M6を除いたすべての曲のアレンジをLuis Enriquez Bacarov(ルイス・エンリケス・バカロフ)が担当しています。L.E.Bacalovといえば、Claudio Baglioni(クラウディオ・バッリォーニ)の『Sabato pomeriggio』やNew Trolls(ニュー・トロルス)の『Concerto Grosso』の素晴らしいアレンジなどで、イタリアン・ポップス/ロックのファンにも有名ですね。このアルバムでも、でしゃばりすぎない、つぼを押さえた美しいストリングス・アレンジを聴かせてくれます。

全体におだやかな曲が多く、よい時代のイタリアン・ポップス/カンツォーネらしいなめらかなメロディとはっきりした抑揚が楽しめます。なかでも、Amedeo Minghi(アメデオ・ミンギ)の曲であるM1、Dario Baldan Bembo(ダリオ・バルダン・ベンボ)のM3、Mango(マンゴ)のM4などは、さすがの楽曲だと思います。

M1ではやわらかなガット・ギターのアルペジオが美しく、M3ではカンツォーネ的なヴォーカル・ラインの伸びやかさが耳に残ります。

M4はMangoの初期の名曲ですね。彼自身のアルバムにも収録されていて、甘くロマンティックなオーケストレーションがたっぷり施されています。Mangoのオリジナルは甘さと切なさのようなものが入り混じった、ちょっとしめっぽい感じのロマンティック・ポップスになっていましたが、Miaの歌には甘さがなく、すっきりと歌っています。その分、メロディそのものが持つ美しさが強調され、Mangoとは違ったかたちの切なさや悲しさのようなものが際立って聴こえるように思います。

M6は唯一L.E.Bacalovがアレンジを担当していない曲ですが、だからといって他の曲から浮くとかクオリティが低いということはありません。カンツォーネらしい流れとフォーク風味が感じられるやさしい曲です。おそらくMia本人による多重コーラスが聞け、Schola Cantorum(スコラ・カントルム)をちょっと小ぶりにしたような印象を受けました。

数曲、リズミックな曲や、変なシンセサイザーのアレンジが乗っかっているものもありますが、全体に、とてもおだやかなアルバムです。カンツォーネとフォークの持つやさしさと美しさ、イタリアン・ポップスの持つおおらかで、ときに激しく場面展開する構成といったものが楽しめます。いいアルバムだと思います。

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2004/07/29

ENZO GRAGNANIELLO / BALIA

個性的な歌声を持つEnzo Gragnaniello(エンツォ・グラニャニエッロ)はナポリ出身のヴェテラン・カンタウトーレ。自身のアルバムも多くありますが、ナポリ周辺のアーティストのアルバムへのゲスト参加も多く、活動自体も彼の声と同様にユニークです。

ナポリのカンタウトーレというと、Pino Daniele(ピーノ・ダニエーレ)などの少しジャジーなタイプや、Nino D'Angelo(ニーノ・ダンジェロ)やGigi D'Alessio(ジジ・ダレッシオ)などのナポレターナを基本にしたポップなタイプというのが多いと思うのですが、Enzoはそのどちらにも属しません。もちろんナポレターナなども歌うのだけれど、Indaco(インダコ)への参加などにも見られるように、彼の感性はよりプログレッシヴです。Daniele Sepe(ダニエーレ・セーペ)などと同様、ナポリという地域に押し込められない、地中海的な広がりのある音楽性を持っています。

このアルバムには、そういったEnzoの、地中海音楽アーティストらしい「なんでもあり」てきな要素がうかがえます。基本はナポリに根ざした哀愁の歌ですが、それが広く南イタリア、南ヨーロッパ的な哀愁へと広がります。かと思うと、曲によってはパンフルートが入ってフォルクローレ風になったり、日本の琴のような楽器の音色が聞こえる曲もあります。また、ラップもあります。

このように曲調にいくつかの変化をつけてはいますが、どのような曲でもEnzoの個性の強いヴォーカルが乗るだけで「Enzoの曲」になります。うなるような渋いだみ声で、日本の演歌とか漁師歌に似合いそうなヴォーカルが、強烈な求心力を持っているからでしょう。

アルバムによって、完全なナポレターナだったり、実験的なポップスだったり、南伊カンタウトーレ風だったりと、ちょっと性格が違うため、はじめて聴くアルバムをどれにするかで印象が違ってしまう感じがするEnzoですが、曲のスタイルは違ってもEnzoのヴォーカルは変わりません。1度、彼の歌声の魅力にひきつけられてしまえば、それ以降はどんな曲を歌っても「Enzoの曲だ」と思えるようになってしまいます。

こういった、個性の強い歌声を持ったカンタウトーレって、自分は大好きなんです。日本ではあまり(ぜんぜん?)人気がない感じですが、非常にイタリアらしいカンタウトーレだと思います。

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2004/07/28

DAVID BOWIE / HEATHEN

David Bowie(デヴィッド・ボウイ)のアルバムを聴くのって、すごくひさしぶりです。というか、自分は彼のアルバムってほとんど聴いたことなかったんですけどね。でも『Heroes』とかはかっこいいアルバムだと思ってました。

しかし、Davidって何歳になるんだろう? もう結構な年のはずなんですが、ぜんぜん衰えを感じさせませんね。独特の陰影をまとったちょっとエロティックなヴォーカルとか、むかしとまったく変わらない気がします。

ちょっと落ち着いた、抑えた感じの曲から始まり、その感じが少し続くので、このまま落ち着いたアルバムになるのかなと最初は思いました。バックで楽器はけっこう鳴っているのだけど、比較的空間があって、その空間の広がりを上手に活用しているあたりは、新人にはなかなかできないヴェテランならではの味だと思います。

落ち着いた作品になるように見せかけて?おいて、「Slow Burn」あたりから一気に音が分厚く、ゴージャスになります。こういったゴージャスさはグラム・ロックを思い出させますね。グラム・ロックがはやった1970年代って、印象はゴージャスなんだけど、演奏自体は意外と軽い感じがしたりしたものですが、いまは当時とくらべると楽器自体の持つ音圧の高さなどが違うので、印象だけでなく、音自体もかなりゴージャスに鳴ってます。

抑えた感じの曲でも、ゴージャスな感じの曲でも、リズム隊の音がいいな。ベースとドラムの音に重さと厚みがあります。こういったところがやっぱりブリティッシュですね。Davidの声やヴォーカル・スタイルも、やっぱりブリティッシュだよなという印象を強く受けますし、メロディやアレンジにも往年のブリティッシュの香りがたっぷりです。ロマンティックで、ドラマティックで、どこか危険?な感じがして、音でさまざまな映像や心象を思い浮かばせる ―― 1970年代から80年代くらいにかけてイギリスのロックが持っていた魅力が失われずに現代の音楽として表現されている、という感じがします。

David Bowie、かっこいいぞ。他のアルバムも聴きたくなってきた。

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2004/07/27

カレー食べながら飲んじゃった

昨日の夜はカレーだったんですよ。日曜日につくって用意しておいたの。でもご飯炊いてる時間がないから、パンにつけて食べた。というより、中辛のルーで野菜こんもりでつくったので、かなりマイルド~な味になってたから、パンにもつけず、ほとんどカレーだけ食べてたけどね。

来週は健康診断があるので、そろそろアルコールを控えなくちゃなぁ~と思ってる。んでもってカレーだから、今日は飲まん、飲むんだったら牛乳! のつもりだったんだけど、やっぱり飲んじゃいました。カレー食べながら。

まずはアサヒが最近発売したフルーツ果汁入り発泡酒「アサヒフルーツブルワリー」のラズベリー。きれいなピンク色で、ほんのりとフルーツの香り。ちょっと甘いけど、あまりべたべたした感じがしないのはベースが発泡酒だから? けっこう美味しいぞ。フルーツチューハイよりもこっちのが自分の好みだな。さわやかカクテルといった感じか。この甘みがカレーのお供にも悪くないじゃん。

発泡酒1缶なんて、すぐに飲み終わっちゃう。というわけで、次はカリフォルニアのストーン・ヴァレーというワイン(安い)をあける。葡萄はカベルネ・ソーヴィニヨン。自分はフランスのカベルネは苦手なんだけど、いわゆるニューワールドのカベルネはそれほど苦手じゃない。カリフォルニアワインは甘みが強いものが多くて、きっとカレーにもいけそうと思ってこれにしたんだけど(あと、強力に合わなかった場合でもそれほど惜しくない程度の値段だからというのもあるが)、思ったとおり、けっこういけました。完熟系の甘さがあって味も強めのワインだから、カレーにも負けない。カレー食べたあとに飲んでも、それほど味が変わったとか味がしなくなっちゃったといった感じがないな。恐るべし、安カリフォルニア。

うん。ちょっと甘口のアルコールはカレーといけるね。これならオーストラリアワインなんかもよさそうだ。ただ、今回のカレーは野菜たっぷりでやさしいお味のイギリス風(東インド会社経由風)だからいいんだろうな。タイ風とかインド風だと、またちょっと違う気がする。

ていうか、けっきょくまた飲んじゃったじゃん。だめだって。そろそろ納豆とか食べて「血さらさら計画」を始めねば。

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2004/07/26

RON / CALYPSO

もともとはRosalino Cellamare(ロザリーノ・チェッラマーレ)という名前(本名?)で活動していたRon(ロン)。活動期間も長く、アルバムもたくさんリリースされていますが、自分はじつは3枚ほどしか聴いたことがありません。そのうえ、どちらかというとあまり興味のないカンタウトーレだったりします。

Ronの書くメロディって、きれいですよね。なめらかで破綻がなく、上手にまとまっていると思います。歌声もほどよく甘く、ほどよくひび割れて、聴き心地のいい声だと思います。Sergio Caputo(セルジォ・カプート)などにもちょっと似た声かもしれません。

素直できれいなメロディで、ほどよく聴き心地のいい声なんだけど、それが自分にはちょっとものたりないんです。イタリアのポップスには、きれいなだけでなく、ときにいびつなくらいの強引な展開とか強い個性(クセ)を持ったヴォーカルとかを期待してしまいます。

『Calypso』とタイトルがつけられたこのアルバムも、ほどよく甘くきれいなメロディを持った曲がたくさん収録されています。カリプソというのはたしか南米のほうの音楽だったと思いますが、このタイトルにふさわしく(?)、明るくあたたかなリゾートでリラックスしたような気分になれます。

乾いた音色で美しいフレーズを奏でる演奏は、イタリアというよりはアメリカのポップスを思わせます。メロディ的にも洗練されたものがあり、これもイタリアというよりはアメリカ風。ときにセンチメンタルなオーケストレーションがあり、これがイタリアの味わいをアルバムに加えてはいるものの、中心となる演奏は明るい音色のキーボードが性格づけをしていて、あまり情緒やイタリアの哀愁といったものは感じられません。それに、このキーボードのアレンジが平凡で艶がなく、曲をちょっと退屈なものにしているように感じます。

楽しげで、気楽な感じで、明るくて、美しくて、そういう点ではいい感じのアルバムだと思います。ただ、日本ではなかなか見つけにくい、手に入れにくいイタリアのポップスを、わざわざイタリアやスイスなどから取り寄せて手に入れている自分がイタリアのポップスに望むのは、もっと「イタリア!」を感じさせてくれるものなんですよ。その点からいうと、Ronの作品は、自分の耳には凡庸に聞こえるし、わざわざイタリアじゃなくてもいいのではないかなと感じてしまうんです。

逆にいえば、イタリアにあまり思い入れのない洋楽ポップスのファンには聴きやすいのかもしれません。

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