GIANFRANCO MANFREDI / MA NON E' UNA MALATTIA
1977年にリリースされた『Zombie di tutto il mondo unitevi!』は、演奏や曲づくりにPFM人脈が絡んでいて、なんだか不思議なごちゃごちゃ感が楽しい作品でした。その前年にリリースされたこのアルバムは、曲作りや演奏のくわしいクレジットがついてないのでわからないのですが、すべての曲がGianfranco Manfredi(ジァンフランコ・マンフレディ)とR.Gianco(R.ジァンコ。もしかして、Ricky Gianco?)によるもので(一部の曲にはさらにG.Illianiという人も絡んでる)、PFMつながりはないようです。
しかし、この人のアルバムは楽しいです。これと1977年のものの2枚しか聴いたことがありませんが、どちらも不思議と魅力的なごった煮感にあふれています。1977年のアルバムではインディーズ・フォークをベースにさまざまなタイプのフォーク/ロックが入り乱れていた感じでしたが、このアルバムでは、陽気なディキシーランド・ジャズ風があるかと思えば50'sや60'sを思わせるポップスもあり、胡散臭い(笑)ムード・ミュージック風あり、サイケデリック・フォーク風もあり、さらにはやさしげなバラード風に始まって、このままロマンティック or ドラマティックにすすむかと思えばプログレッシヴに展開しちゃったり、ときにはLucio Battisti(ルーチォ・バッティスティ)風になっちゃったり。声も、甘いトーンからはつらつ?系、いなたいひび割れ声と、まるで魔術師のよう。
曲調にも声にもさまざまなヴァリエーションがあって、こんなにいろいろあるといかにもごった煮でばらばらした感じになってしまいそうなものですが、そうならずになんとなく求心力のようなものがあるところがGianfrancoの魅力でしょう。彼のヴォーカルが、すべてをひとつにつなぎとめているのかな。それと、じつはひとつひとつのフレーズがとても魅力的なんですよ。まじめに素直にバラードとかを書いたら、すごくロマンティックで感動的なものができそう。なのに、そうしない。どこかひねっちゃう。このへんの感覚が、なんだかとても好ましいのですわ。うん、とっても楽しいアルバムでした。
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