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2004/11/22

ミュージカル『オペラ座の怪人』ケン・ヒル版

今年から来年にかけて、日本はちょっとした『オペラ座の怪人』ブーム? 劇団四季による再演、映画版の公開に先駆けて、ケン・ヒル版のミュージカルが上演されています。

てことで、観にいってきましたよ、新宿厚生年金会館。2階のいちばんうしろの席だったけど、この会場は2階席でもステージがよく見えるし、キャパ的にも手ごろなんで好きです。

『オペラ座の怪人』は、原作本は何回か読んでますし、ずいぶんむかしにNHKで放送されたイギリスBBC制作によるテレビドラマ(約3時間)の出来が非常によくて、これをビデオにとったものも何回か見てます。けっこう哀しいお話ですよね。あ、変化球ヴァージョンであるブライアン・デ・パルマ監督の『ファントム・オブ・パラダイス』も観てますよ。

でも、ミュージカル・ヴァージョンは観るのがはじめて。ケン・ヒル版というのが劇団四季がやってるの(アンドリュー・ロイド・ウェーバー版とかいうらしい)とどこがどう違うのかわからんのだけど、劇団四季の『キャッツ』でめちゃめちゃがっかりした記憶のある自分としては、四季のよりはいいんじゃないかと思って出かけたわけですわ。

結果……がっかり。オペラ座を舞台にしたミュージカルなのに、オペラ上演中にさまざまな事件が起きるのに、「音楽の天使(=ファントム)」とクリスティーヌは「歌」を通じておたがいの心の奥深くに触れ合うのに、肝心の「歌」がすっごく少ないんですけど。ふつうにしゃべってるシーンがとても多い。もっと「音楽シーンでの高揚」を期待してたんだけどなぁ。

そして、なによりもつらかったのが、ファントムの声質と歌唱力。だってファントムは「音楽の天使」でしょ。彼の「天使の歌声」と「高い音楽的才能・資質」にクリスティーヌはひかれたのでしょ。なのに、なんでファントムの声があんななの? オペラ座でしょ。オペラでしょ。でもファントムの声はどう聞いてもポップ・シンガーにしか聞こえない。ちょっとひび割れ気味で、天使の歌声とは程遠い。少しむかしの歌唱力があるイタリアのポップ歌手みたい。歌がうまいとかへたとかとはべつに、「ファントム」の歌声としてはありえないと思うんだけど。

また、音楽はステージ前のオーケストラ・ピットでほぼ生演奏(だと思われる)なのだけど、オーケストラがいるわけじゃない。指揮者と、管楽器がひとりかふたり、コントラバス(かな?)がひとり、それにドラムスとキーボード。暗くてよく見えなかったけど、これくらいのこじんまりしたもの。正直いって、しょぼいです。とくにキーボードの音づくりがあまりうまくなく、重厚感も広がりも奥行もぜんぜんない。安っぽい。こんなんだったら、生演奏じゃなくテープでいいから、フル・オーケストラで録音したものを使ってほしかった。あのキーボードはひどいな。

登場人物は全部で10人くらい。いかにも張りぼてっぽいセット。舞台でかかる「ミュージカル・プレイ」というより、むかしのヨーロッパのキャバレー(ムーラン・ルージュみたいなやつ)で行なわれる「ショー・タイム」みたいな印象。音も舞台も、全体にこじんまりしてる。ストーリー(というか、登場人物の背景?)も、原作とちょっと違うような(本をまた読み直してみよう)。なんだか微妙で笑いづらいコメディ要素も世界観を壊しているだけのような感じ。

う~ん、まいっちゃったなぁ。素直に人気のある劇団四季版を見にいくべきだったかなぁ。これで『キャッツ』に続き、劇場で観るミュージカル2連敗って感じ。ミュージカルへの偏見を取り除けるかと思って観にきたんだけどなぁ。来年3月にはミュージカル『十戒』を観にいくのだけど、今度こそ「感動」させてほしいぞ。

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