LOREDANA BERTE' / LOREDANA BERTE'
1988年リリースのアルバムだったかな。Loredana姉さん、あいかわらずめっちゃいい声です。自分はこういうひび割れた声のヴォーカルって好きなんですよ、女性も男性も。むかしのイタリアにはひび割れ声シンガーがたくさんいたのに、最近は少ないですね。
声はあいかわらず素敵なのだけど、やはりデビューのころにくらべると迫力は落ちているかな。以前よりちょっと細くなっちゃった気がします。もともとのパワーが大きいので、多少細くなったところで充分に力強いのではありますけど。
アルバム全体に楽器の音がカラフルで派手なのは、1980年代終盤だからでしょうか。すっきりクリアなんだけど、ロック・フィーリングはけっこうあるポップ・ロックで、あのころに全盛を極めていた(そろそろ終わりかけだったっけ?)アメリカン産業ロックと印象が似ている気がします。これで、もっとふつうの声で、歌詞が英語だったら、アメリカもしくはイギリスの女性ロッカーといわれても信じたかも。
でも、歌詞はイタリア語、歌ってるのはイタリアのロック姉さん、Loredana Berte'(ロレダーナ・ベルテ)です。たとえシンセサイザーの音が産業ロックくさくても、エレキ・ギターの音がいかにもヘヴィ・メタル・ムーヴメントを通り過ぎてポップスの世界にきました的な音色とフレージングだったとしても、明るく元気にはじけた曲調があったとしても、やっぱり姉さんは姉さん。その個性的な歌声がすべてを「Loredanaの曲」にしちゃいます。
欲をいえば、もう少しスケールの大きな曲があればよかった、力強くかつじっくりと歌いこむような曲があればよかった、といった部分もあるし、自分の好み的にいえば、もっとイタリアンな感じが強ければ、ということもあるのだけど、それはそれとして、女性ロック・シンガーのアルバムとしては充分に魅力的なアルバムだと思います。
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