AL-BIRD / SODOM & GOMORRA XXI
ウズベキスタンのロック・グループ「X Religion(エックス・レリジョン?)」のキーボーディスト、Al Bird(アル・バード)によるソロ・アルバム。X Religionが何人グループなのか知りませんが、このアルバムにはX Religionからベーシストとドラマーが参加してます。
タイトルがソドムとゴモラですからねぇ。「XXI」がなにを意味するのかわかりませんが、テーマ的には「悪徳の滅亡」ですよね、きっと。サブ・タイトルには「Progressive Symphonic Poem」となってます。
ちなみに、ここで演奏されている音楽は、もともとは舞台用のものだったみたいです。Original scenic versionはウズベキスタンのThe Youth Teatreで上演みたいなことが書いてあるし、ジャケットのうしろにも舞台シーンの写真があります。
曲的にはキーボードを駆使したインストゥルメンタルのシンフォニック・プログレッシヴ。ギターが加わるパートもあり、いかにもキーボード・ミュージックというふうにはならず、きちんとバンド・サウンドが楽しめるのがうれしいです。キーボード自体はそれほど音色にヴァリエーションがありませんが、フレーズやアンサンブルに変化があるのと、メロディがいいのかなぁ、とくに飽きることなく聴けます(自分はキーボード・メインのインスト曲って途中でよく飽きちゃうんですけど)。またパイプ・オルガンをガンガン鳴らすパートもあったりして、迫力と広がりのあるロックになっています。
ソドムとゴモラといえば、男色をはじめとしたありとあらゆる快楽・悪徳がはびこり、それを「もう見てられん!」と思ったイスラエルの神(エホバ)が一晩のあいだに焼き尽くした街ですね。唯一、信心深い家族にだけは天使が「逃げなさい。その際、うしろを振り返ってはならない」と告げに来るのだけど、逃げる途中でつい街を振り返ってしまったお母さんはたちまち塩の塊になってしまったという話。この話をテーマにしたトータル・アルバムなので、快楽・悪徳の栄えを表現したパートとかもあるのかなと思ったのですが、全編通して暗いイメージで、快楽・悪徳の栄え的華やかさ・猥雑さといったものはありませんでした。そのあたり、もっと収録曲(パート)に「シーン」をもっと想起させるようなメリハリがあってもよかったかなぁ。
独特のくすんだ感じがまとわりついているあたりが、やはり東欧。音色、フレーズ、展開、アンサンブルともにクオリティはけっこう高いと思います。X Religionも聴いてみたいぞ。
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