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2004/07/30

MIA MARTINI / CHE VUOI CHE SIA... SE T'HO ASPETTATO TANTO

Mia Martini(ミア・マルティーニ)の声って、伸びやかで、優しくて、女性的な美しさにあふれているのだけど、多くの女性シンガーにある、こびたところや甘ったるいところ、あるいは耳障りな甲高さとかがなくて、その点が自分にとってはとても好ましいです。

1976年のアルバムなので、Miaもまだ若かったことと思いますが、この落ち着きはなんなのでしょう。もともと声自体も落ち着いた感じではありますが、Miaの声質と伸びやかな歌い方を上手に活かせるような曲で構成されていることが、このアルバムを名盤にしている理由のひとつでしょうね。

M6を除いたすべての曲のアレンジをLuis Enriquez Bacarov(ルイス・エンリケス・バカロフ)が担当しています。L.E.Bacalovといえば、Claudio Baglioni(クラウディオ・バッリォーニ)の『Sabato pomeriggio』やNew Trolls(ニュー・トロルス)の『Concerto Grosso』の素晴らしいアレンジなどで、イタリアン・ポップス/ロックのファンにも有名ですね。このアルバムでも、でしゃばりすぎない、つぼを押さえた美しいストリングス・アレンジを聴かせてくれます。

全体におだやかな曲が多く、よい時代のイタリアン・ポップス/カンツォーネらしいなめらかなメロディとはっきりした抑揚が楽しめます。なかでも、Amedeo Minghi(アメデオ・ミンギ)の曲であるM1、Dario Baldan Bembo(ダリオ・バルダン・ベンボ)のM3、Mango(マンゴ)のM4などは、さすがの楽曲だと思います。

M1ではやわらかなガット・ギターのアルペジオが美しく、M3ではカンツォーネ的なヴォーカル・ラインの伸びやかさが耳に残ります。

M4はMangoの初期の名曲ですね。彼自身のアルバムにも収録されていて、甘くロマンティックなオーケストレーションがたっぷり施されています。Mangoのオリジナルは甘さと切なさのようなものが入り混じった、ちょっとしめっぽい感じのロマンティック・ポップスになっていましたが、Miaの歌には甘さがなく、すっきりと歌っています。その分、メロディそのものが持つ美しさが強調され、Mangoとは違ったかたちの切なさや悲しさのようなものが際立って聴こえるように思います。

M6は唯一L.E.Bacalovがアレンジを担当していない曲ですが、だからといって他の曲から浮くとかクオリティが低いということはありません。カンツォーネらしい流れとフォーク風味が感じられるやさしい曲です。おそらくMia本人による多重コーラスが聞け、Schola Cantorum(スコラ・カントルム)をちょっと小ぶりにしたような印象を受けました。

数曲、リズミックな曲や、変なシンセサイザーのアレンジが乗っかっているものもありますが、全体に、とてもおだやかなアルバムです。カンツォーネとフォークの持つやさしさと美しさ、イタリアン・ポップスの持つおおらかで、ときに激しく場面展開する構成といったものが楽しめます。いいアルバムだと思います。

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