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2004/06/20

離風霊船はやっぱりうまかった

離風霊船はやっぱりうまかったです。役者さんがかまないもん(そんなところで評価かよ!)。ここ2年ほど公演がないのだけど、以前によく観にいってたTokyo Fとか一夜城とかは、役者さんが大切なシーンでカミカミで、はらはらしながら観るというある種の緊張感を楽しむ舞台でしたけど(そうか?)、離風霊船にはそういうことがないですね。役者さんたちに余裕があるというか、だからきちんと間をはかれるっていうか。やっぱ、上手なんだよな、役者さんも脚本も。

でも、今回の舞台、話の内容はどうなのかなぁ。ていうか、途中で話自体を変えたでしょ? だって、公演チラシに書かれている『渚家にて』の紹介文と、実際の舞台の内容、ぜんぜん違うもん。公演チラシでは、東京郊外のある一家庭で、普段はたがいに干渉しないようにしている家族4人が、ある日たまたま夕食時に勢ぞろいしてしまい……てなふうになってるのに、舞台では東京なんか出てこない。ていうか、日本じゃないどこかの国での話になってるし、家族じゃないし、8人出し(笑)。イラクでの人質事件のニュースを見て急遽、話自体を全部つくりなおしたのがありあり。なので、話の内容と公演タイトルにまったく関連性がなくなってしまってる。そういうのは、どうなのかなぁ。

急ごしらえでつくった(と決め付けてますが)にしては、ストーリーに破綻がなく、うまくまとまってたと思うけど、その分、深みとか奥行きもなかったな。ステレオタイプで平凡。テーマの重さのわりに、登場人物たちの内面への踏み込みとかが足りない。そのへんが残念だわ。なまじっか「上手」にやれてしまう劇団だから、まとめられちゃうのがかえってツライ。もっと時間をかけて書かれた脚本を、じっくりと練って揉んで深みを引き出した状態での芝居が観たかったですわ。

次回に期待。

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