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2004/06/04

ドーン・オブ・ザ・デッド

観てきましたよ、『ドーン・オブ・ザ・デッド』。事前情報で、ゾンビが走って追いかけてくるのがおかしいということを聞いてたんですが、ほんと、おかしい。だって、ゾンビですよ。死んでるんですよ。なのに、走って追いかけてくるの。それも、全速力で。もう、爆笑しそうでしたよ。

特殊メイクとかはね、よくできてたんじゃないかと思います。ショットガンで頭が半分吹っ飛ぶところとか。しかし、ゾンビという別の物体(生き物じゃないですよね? 死んでるんだから。でも、頭を打たれると死ぬ?のはなぜ???)とはいえ、人のかたちをしたものを、ゲームのように屋上から狙撃して楽しんでるシーンは、あまりいい気分がしませんね。むかしむかし、ヨーロッパの貴族が森に奴隷を放ち、馬で追って矢で射ったフォックス・ハンティング(狐狩り)ゲームとか思い出しちゃいます。ほんのちょっとのことで「こいつは人間じゃない、狐だ」って思って、人型のものを楽しんで撃ち殺せる。人間ってやっぱり罪深いのかしらん。だからゾンビになっちゃうのね。

ちなみにゾンビってのは、もともとはブードゥー教(だったよな)の処刑方法だそうです。ただ殺すだけでは飽き足らない極悪人を、1回殺して魂を奪ったのちに、ゾンビパウダーという特殊な調合役を飲ませるだか塗りつけるだかして生き返らせ、以後は魂のない生ける屍としてずっとこき使うっていうものなんだとか。しかしそれがヨーロッパなどのキリスト教国に渡ると、最後の審判の日に、すべての死者が生き返り、善き人と悪しき人を神が分かち、善き人は天(神の国)へ召され、悪しき人は苦しみの地に残される(てなことでしたよね?)っていう聖書の話へとリンクされちゃうんだろうな。ゾンビはみんな、けっきょく悪しき人?

そういえば、映画のなかに出てくる犬。チップスという名前でしたっけ? あの犬、ぜったいゾンビを呼んでるよね。あいつが吠えるとゾンビがわらわらとやってくる。犬(Dog)は神(God)のスペルをさかさまにしたものなので、悪魔の使いといった意味合いを持たせられることがあるらしい。今回のチップスは、きっとそういう役割なんだろう。

ジョージ・A・ロメロのオリジナルを観たのはもうずいぶんむかしなので、どんなストーリーだったか覚えてないんだけど、このリメイクは、大枠で踏襲されてるんだろうか? なぜゾンビが大量発生したかという原因もわからず、この騒動がどう収束するのか(もしくはしないのか)といったことも描かれず、なんだかわけもわからないままに混沌として終わるっていうのは、気分はよくないけど、このいや~な感じがいいね。救いがない映画って、そんなに嫌いじゃないんです。

しかし、やっぱゾンビはゆらゆらと追っかけてくるほうが怖いぞ。ゆらゆらで足が遅いのに、逃げ切れないってほうが。追っかけてくるゾンビよりも、ゾンビが打たれて頭が吹っ飛ぶシーンよりも、逃げるおっちゃんがクルマの中で誤ってチェーンソーで一緒に逃げる姉ちゃんを切り殺してしまうシーンのほうが、なんか怖かった。チェーンソー、痛そうだった。『テキサス・チェーンソー』よりも、あの姉ちゃんが切られるシーンのほうがきつかったわ。

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