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2004/06/11

BARCLAY JAMES HARVEST / OCTOBERON

うちにあるこのアルバム、CDじゃなくて、古い輸入盤LPなんですよ。20年くらい前に中古で安く買ったんだったかな。なので、盤の状態とか、あまりよくないんです。プチプチいうノイズがけっこうたくさん入ってる。でも、このプチプチいう音が、それほどいやじゃないというか、Barclay James Harvest(バークレイ・ジェームス・ハーヴェスト)のこのアルバムでは、雰囲気をつくるのにかえって役立っているような、そんな印象すら受けてしまいます。CDのクリアな音しか聴いたことのない若い世代の人たちには、こういう感覚って、わかりにくいだろうな。

まだ輸入盤店や中古盤店が一般的でなく、一部のコアなファンが行くような店だったころ、日本盤がリリースされていないアルバムやアーティストを、数少ない情報を頼りにマンションの一室でやっているような店に探しに行き、棚を端から探し回ったあのころを思い出します。ちょっとかび臭さが混じったビニールの匂い。BJHのこのアルバムには、あのころの、「音楽が音楽ファンの宝物」だったころの匂いがするんです。いまのように「みんなの大衆消費財」じゃないころの匂い。

イギリスの田園風景を思わせるような牧歌的な香り、ゆったりとしたあたたかなメロディ、美しくやわらかなオーケストレーション。ときにロック風のギターも入るけれど、基本は典型的なシンフォニック・ロックでしょう。いまではほとんどみることのできない「ヘヴィ・メタルの洗礼を受けていない」グループ(古いグループだから当然ですが)。M2「May Day」などでは男声・女声のコーラスも入るのですが、それがクワイア(声楽的な合唱)になるのではなく、中学校の合唱部がうたうような、とっても世俗的なコーラスになっているのも好ましいです。

演奏もけっしてうまくないし、難しいこともやっていない。大仕掛けな構成や展開があるわけでもない。そういった見かけ上のものではなく、もっと根源的な「ハート」のあたたかさを大事に大事に表現しているような、そんなアルバムだと思います。全体にどこかふわふわと漂うような浮遊感があり、聴き手の心を殺伐とした現代から救い出し、桃源郷へといざなってくれるような、そんな印象を受けます。強い刺激を求める人にはおもしろみのない音楽でしょうが、こういう音楽って、必要なんですよね。そういうときが必ずあると思います。

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