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2004/05/29

Therion "Secret of the Runes"

こういうロックは、どういうジャンルに入るんですか? ゴシック・メタル? よくわからないんですが、デビュー当時はたしかデス・メタル・バンドっていわれてましたよね、Therion(セリオン)。でも、このアルバムには、いわゆるデス声(ぐわぁぁぁぁぁとかいうやつ)はいっさい入ってなくて、なんと全編が合唱(クワイア)です。男声、女声、混声が入り混じり、バックにはオーケストラが鳴り、めちゃめちゃクラシカル&ドラマティック!

こういうロックを探してたんです! 合唱ロック/ポップス・ファンの自分にとってストライク・ゾーンど真ん中です。

クラシックの持つ重厚さとドラマティックさ、そして美しいメロディに、ロックのリズムと力強さが乗る。もともとはそういう音楽が聴きたくてプログレッシヴ・ロックのファンになったのだけど、プログレはどんどん違うほうへ進んでいってしまいました。

その後、Vaiper(ヴァイパー)やAngla(アングラ)、Helloween(ハロウィーン)、Gamma Ray(ガンマ・レイ)といったメロディック・スピード・メタルにそのスタイルの幻影を見たのだけど、合唱が入ることはほとんどなく……。

さらにその後、ちまたではソプラノ・ヴォーカルなどを導入したデス・メタル/ゴシック・メタルなどが話題になったので、そこにも幻影を求めていくつか聴いたのだけど、デス声になじめず、曲自体もドラマティックさに欠けていて、根本的な部分で「違う」ものであることにがっかりしたのですよ。

この過程のなかでTherionも1枚、聴いたことがありました。『Symphony Masses / Ho Drakon Ho Megas』なんですが、それほどいいとは思わなかったんだよなぁ。いい「要素」はあるんだけどね。なので、ずっとTherionのことを忘れてたんです。

で、このアルバム。ネット上で「すごい」という噂を目にし、ためしに聴いてみました。Therionって聴くのはじめてだなぁとか思いながら(以前に聴いたことがあるのをすっかり忘れてた)。そしたら……。

もう、涙出そうです。そう、そう、こういうのが聴きたかったのよ、ずっと。

クラシカルなヴォーカル・スタイルとドラマティックで厚みのある演奏、美しく重厚でヨーロッパのロマンと哀愁あふれるメロディ。もうヨーロッパでしかありえないロック・ミュージック。素晴らしい!!

Therion以外にもこういうアルバムってあるんだろうか? ご存じの方がいらっしゃったら、ぜひ教えてください。

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