真珠の耳飾りの少女
映画『真珠の耳飾りの少女』を観てきました。
銀座のシネスイッチは、毎週金曜日がレディースデイだったんですね。知らずに出掛けたら、お客さんは女性だらけで、そのうえ満席という、なんだかすごく居心地の悪い鑑賞になってしまいました。上映前にアイスクリーム「彩」のプレゼントがあったのが唯一、レディースデイに紛れ込んでしまったつらさの報いとなったでしょうか。美味しかった。
映画のほうはというと、すごく静かな映画でした。余分なせりふや音のない、ヨーロッパらしい静寂がありました。
ストーリー的には、じつはあまり引き込まれるところはなかったなぁ。
最後まで観て感じたのは、自分の「分」というものをわきまえない人、理解しない人は、哀れだなということ。理解しないというよりは、気づいてはいるのだけどそれを認められない人、受け入れられない人、のほうが的確かな。あ、主にフェルメールの奥さんのことですけどね。とはいえ、フェルメールも使用人のグリートも、それぞれの分をはみ出しちゃったから奥さんがそれ以上に分をはみ出しちゃったんですけどね。
あと、題材が絵画だけあってか、映像のひとつひとつがとても絵画的というか、瞬間瞬間を切り取ったようなシーンがとても美しいです。とくに光と陰の使い方が秀逸で、そのコントラストがいかにもヨーロッパらしい。
こういった光と陰とのコントラストって、西洋絵画を見たりすると強く感じられるんですが、実際にヨーロッパに行くと、ちょっとした街角や小道でほんとに鮮やかに感じられるんですよね。絵画をドラマティックに演出する技法という面もあるのかもしれませんが、普通に日常の風景が鮮やかなコントラストに満ちているから、ああいう絵になったんじゃないかなと思います。
そのほかに印象に残ったことといえば、主役である使用人の少女グリートを演じたスカーレット・ヨハンソンの口が終始半開きで、個人的には、頭悪そうに見えていまいちだったこと。その唇が最近のヨーロッパ人(ヨハンソンという名字からすると、スウェーデン人ですか?)にしてはずいぶんぽってり系だなと思ったこと。ぽってりした唇を半開きということで、ある種のエロチック差を表現しようという意図だったのかもしれませんが、エロチックというよりは頭悪そう、あるいは鼻が悪そうと思ってしまった自分はアホウでしょうか。
それと、フェルメールを演じた役者さん、コリン・ファースでしたっけ。この人、名前を聞いたことがあるので、けっこう有名な人なんですよね、きっと。おそらく自分も出演作をいくつか観てるんじゃないかと思いますが、記憶にありません。で、そのフェルメールさんなんですが、いつの瞬間からか、彼の顔がどんどこどんのぐっさんに見えてしょうがなくなってしまい、いつ松方弘樹の真似をしだすかとか、なにか歌い出すんじゃないかとか、そんなことばかりが頭に浮かび、どんどん集中力がそがれていってしまいました。
う~ん、こんな観方でよかったのだろうか(よくない!)。
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