2020/01/05

宮崎駿 『風の谷のナウシカ』

ずっとむかし、まだ学生だったころにいちど読んだことがあるのだけど、そのときはまだコミック最終巻が発行されておらず、けっきょく最後までは読まなかった記憶がある。今回、おそらく初めて最後まで読んだわけだが、終盤に近づくにつれて物語が駆け足になっているというか、話を終わらせるために大急ぎでいろいろなものを詰め込んだような、そんな印象を受けた。最初のほうに出てきた腐海や王蟲の描写とかは繊細で美しかったのにな。それと、モノクロ印刷のコミックだと、王蟲の目の色がわからないのが残念だった。
あと、根本的な思想としては、『新世紀エヴァンゲリオン』に似ているように感じる。何度も過ちを繰り返し、争いや略奪に明け暮れるいまの人類を地上から一掃し、より平和的で完成された新しい世界をつくろうとする「誰か」によるノアの箱舟的な計画により、主人公たちが生きている時代に大きな災害が発生し、あと少しでその計画が成就しようとするが、最終的に主人公は完成され完全な調和が得られるであろう新しい世界よりも現状の未完成で不完全な世界で生きていくことを選ぶという流れは、基本的に同じなんだな。


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2019/12/31

アナベル 死霊人形の誕生 Annabelle: Creation (2017)

『死霊館(The Conjuring)』シリーズのキーパーソン?とも言える呪われた人形「アナベル」の、タイトルどおり誕生秘話を描いた作品。そうかぁ、この夫婦がサタニズムに走って召喚しちゃったのかぁ。突然の大きな音や恐ろしげな顔のアップで脅かすよりも、じわじわ迫る系のオーソドックスなオカルト映画といった感じで、個人的には好きなタイプ。ただ、途中でいかにも映画版の『リング』や『呪怨』からの影響を思わせるカクカク動きが出てきたのは興ざめだった。
ところで、たしか『死霊館』の1作目と2作目の『死霊館 エンフィールド事件』は実話ベースで、アナベル人形も実在するらしいが、『アナベル 死霊人形の誕生』も実話ベースなのだろうか。しかしアナベル人形、悪霊つきではなかったとしても顔が恐すぎるよな。


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ジグソウ:ソウ・レガシー Jigsaw (2017)

『SAW』1作目は、たしか劇場に観にいった。ほぼワンシチュエーションで最初から最後まで緊迫感が持続し、最後の種明かしでは普通にびっくりしたことを覚えている。その後のシリーズも、CATVでだが、ほとんど観た。ただ、ストーリーの衝撃や緊迫感で1作目を超えるものはなく、だんだんとただ痛いくてグロいだけのトーチャー映画になっていき、それはそれでそういうものとして楽しめるのだけど、そのうちに飽きてきてしまった。
そのシリーズも2010年の『ソウ ザ・ファイナル』で完結したはずだったのに、なぜか新しいシリーズとしてまた始まってしまったのが『ジグソウ:ソウ・レガシー』。率直に言って、やめておけばよかったのにと思う。痛さとグロさに走った感がある前シリーズ後半を反省してか、ストーリーづくりに力を入れたようで、その部分ではなるほどと思わせたが、あまりにシンプルなゆえにかえってそれが衝撃的だった1作目のストーリーと比べると、少し複雑にしすぎてしまった感があり、犯人が示されたときのスッキリ感はあまりなかった。また、ストーリーに比重が寄った分、このシリーズの見所のひとつである痛い仕掛けとそれを解除するための謎解きの部分がかなり弱くなり、そこでのある種のすっきり感も薄められてしまった印象。いちおう、新シリーズの1作目となるらしいが、続編はもうつくらないほうがいいのではないかな。

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銀魂2 掟は破るためにこそある (2018)

原作コミックを読んだことがないのと、前作の映画も観ていないので、いきなり劇場版2作目を観て楽しめるのかと少し心配したのだけど、普通に楽しめた。舞台設定は荒唐無稽だけれど、展開のテンポがよく、アクションとコメディ要素と人情味を組み合わせたコアストーリーがわかりやすい。

登場時間は短かったが、長澤まさみはやはり美しいな。メインアクトのひとりである橋本環奈は、フェイスはめちゃくちゃ美しいのに、丈が短く肉付きがよすぎるボディが頭部とあまりにアンバランスで、そのちぐはぐさ加減が逆にかわいい。演技そのものは、少なくともこの作品ではうまいとは感じなかったが、アイドルフェイスでありがなら全力で振り切った変顔も辞さないあたりにプロフェッショナルなものを感じる、気がする。

男優陣では、堤真一は出てくるだけで存在感がありまくりだし、柳楽優弥の目力も魅力的。小栗旬のアクションもかっこよかった。菅田将暉は、もっとできる役者のはずだけど、この作品ではガーガーわめいているだけのシーンが多くて、ちょっともったいなかった感じがする。

ところで、劇中に『となりのトトロ』と『新世紀エヴァンゲリオン』のパロディが挿入されていた。自分はこの2つしかわからなかったのだけど、きっとほかにもいろいろあったのだろうな。こういったパロディは、オリジナルを知っていないと意味不明になるわけだけど、『銀魂』の劇場版を観る観客層と『となりのトトロ』『新世紀エヴァンゲリオン』を観る観客層って、重なっているのだろうか。それとも、『となりのトトロ』『新世紀エヴァンゲリオン』は誰でも知っていて当然のスタンダードにいまの日本ではなっているということなのだろうか。


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2019/12/15

楳図かずお『神の左手悪魔の右手』

絵はけっこうグロくてよいのだけど、ストーリーにあんまり厚みが感じられないのが残念。絵面のどす黒さとぐちゃぐちゃ加減に対し、物語のどす黒さやどろどろ加減が負けている感じがする。「女王蜘蛛の舌」はそこそこ趣があって悪くなかったけれど、他の話は登場人物がただ騒いでいるだけのB級スプラッタムービーと同じような匂いを感じる。『神の左手悪魔の右手』というタイトルも物語にほとんど活かされていない。そこを上手に使えていれば趣深いタイトルだっただろうに、最終話で思い出したようにそれっぽい説明を入れただけで、単に思わせぶりなタイトルで終わってしまった印象。

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