2019/10/06

インフェルノ Inferno (2016)

トム・ハンクスが主役を演じるラングドン教授シリーズの映画第3弾。このシリーズは、これまでの『ダ・ヴィンチ・コード』も『天使と悪魔』もそうだったけれど、事件の始まりから解決までが時間軸にしてだいたい3日程度と、途中のイベントがけっこう多い割にはスピーディ。これが日本の作品だったら、きっと解決までに何週間か何か月かかかってると思う。こういう軽快さは魅力ではある。
そしてイタリアの街は、やはりフォトジェニック。シリーズ3作の内容的には『ダ・ヴィンチ・コード』がいちばん趣があるかなと思うけれど、ヴィジュアル面ではフランスが主な舞台の『ダ・ヴィンチ・コード』より、イタリアが舞台の『天使と悪魔』『インフェルノ』のほうが、歴史や宗教を事件の背景にするこの作品シリーズには合っているように感じる。
しかし、『ダ・ヴィンチ・コード』『天使と悪魔』『インフェルノ』と作を追うごとに、事件の動機が世俗化してきている感じがするな、このシリーズ。原作は『ダ・ヴィンチ・コード』よりも『天使と悪魔』のほうが先らしいけど。

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2019/08/25

食糧人類-Starving Anonymous- (原作:蔵石ユウ、作画:イナベカズ)


人間を捕食する地球外知的生命体との戦いを描いた作品という点では『寄生獣』などと似たようなところがあるけれど、『寄生獣』と比べると描かれているテーマや登場人物の描写などが非常に浅いと感じる。主人公?の伊江は基本的になんの役にも立たないし、キャラクターに魅力も感じない。伊江よりも活躍するナツネと山引はどちらも特異体質なのでストーリーを都合よく進めるうえでなんでもありだし、伊江の友人のカズは登場の必要性を感じない。桐生もマッドサイエンティストにしては知性の高さを感じない。最大の敵である巨大生物も、人類よりも知能も科学技術力も高いという設定なのに食糧を食べつくしたうえ共食いで絶滅って、とても知能が高いとは思えない。人間以外のものは食べないような設定でありながら共食いをするというのもなんだかなぁ。発言者の役柄や状況に対してそぐわないような子供っぽい、というか、ばかっぽいせりふもところどころであり、非常に興ざめ。SFとしてもゴアものやバトルものとしても中途半端で、登場人物たちの成長ストーリーとしても起伏が少ないうえ振れ幅も小さく、思ったよりもおもしろみのない、こじんまりとした作品だった。

食糧人類ーStarving Anonymous-(1)

イナベ カズ/蔵石 ユウ 講談社 2016年09月20日
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2019/08/15

地球ゴージャス / HUMANITY THE MUSICAL〜モモタロウと愉快な仲間たち〜 (2006)

いちどは生で舞台を観てみたいと思っているのだけど、なかなかチケットがとれない地球ゴージャス。CATVでむかしの公演が放送されていたので、初めて観ました。
なんか、すごいな。歌もダンスも笑いもあって、最後は少し泣かせにくるという、観客を目いっぱい楽しませようというエンタテインメント精神たっぷりのステージでした。特に大人数での群舞やコーラスの場面などは、生で観ていたらかなりの迫力で楽しかっただろうな。いつかは生で観たいという気持ちがいっそう高まりました。
しかし、主演の唐沢寿明はいまも力強いアクションを見せる人だから、あれくらいのアクションはできて当然と思いましたが、岸谷五朗があんなにスピーディでスリリングなアクションができる役者だとは知りませんでした。テレビや映画では、あまりアクションシーンを見ない気がするのですが、舞台であれだけできるのに、なんかもったいない感じがします。
雉役の蘭香レアという人は、宝塚の男役だった方なんですね。鍛えられて引き締まった腹筋がすごくて、そこにばかり目が行ってしまいました。
そして、戸田恵子の歌のうまさにしびれました。高橋由美子もかわいらしかった。
大人数が登場する舞台作品はチケットが高額になりがちで、なかなか気軽に観にはいきにくいのだけど、大人数ならではの躍動感があって楽しいです。映像作品でも十分以上におもしろかったけど、やはり生のステージで観たかった。


HUMANITY THE MUSICAL~モモタロウと愉快な仲間たち~/DVD/ASBY-3880
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2019/08/13

羊の木 (2018)

刑務所の収容人員削減および地方の過疎化対策のための行政による極秘プロジェクトとして、刑期を終えた殺人犯を地域に受け入れるという設定自体はなかなかおもしろいと思うのだけど、6人の殺人犯のうちの4人は全体のストーリーにほとんどかかわってこなかったのが残念。群像劇としてうまくつくれないのなら、最初から受け入れる殺人犯は北村一輝と松田龍平の2人だけでよかったのではないか。「その他」の殺人犯に田中泯、市川実日子、優香とか、役者の無駄づかい。ネームバリューのあるキャスティングをしているのに「その他」関係のエピソードが核となるストーリーとはほとんど絡まないために全体の求心力を弱めることにしかつながっていないように思う。
しかし、『梅ちゃん先生』での看護師とか、『ボク、運命の人です。』でのヒロインとか、不機嫌そうだったり不幸な感じだったりする役を演じる木村文乃は素敵だ。明るく元気な役で笑顔を見せるときよりもずっと美しく感じる。


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2019/05/02

PUFFY / amiyumi (1996)

PUFFYといえば、やはりデビュー曲「アジアの純真」の印象が強く、若い女性のデュオにしてはだらけているというか、いい具合に力が抜けていて、それが魅力だと思ったわけですが、このデビューアルバムを聞くと、彼女たちの力の抜け具合は「いい具合」どころではなかったのだとわかります。ゆるゆるのふわふわな歌声がレイドバックし放題。演奏もスカスカで、だけどけっして適当なわけではない、意識されただらけ具合といった感じで、心地よいです。アルバム全体を聞くと、力が抜けていると思っていた「アジアの純真」は、むしろ張り切って歌っているし、演奏も厚みがあって、実はデビューシングルだから力を入れてつくったんだなと感じます。その力の入り具合が、かえってアルバムのなかでこの曲を浮いた存在にしてしまっているようにすら思えます。

曲やメロディは全体的にプロデューサーである奥田民生のテイストが強いのだけれど、そこにPUFFYのふたりの力の抜けたヴォーカルが乗ることで、独特のゆるさと気楽さがありつつ大事なポイントははずさない、なかなかの名作になっていると感じます。シングル曲やテレビでしゃべっているときのイメージなどから、あまり期待せずに聞いたアルバムでしたが、PUFFYいいじゃん。

 

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